17. ページ19
.
くるり、と振り向かされて、
目の前には少し顔を赤くした日高くん。
舌足らずのこの口から、あの高速ラップが作り出されてると思うと、
やっぱり想像つかないな、なんて。
「近いし、」
日「誰探してんの?直也くん?」
「どこ行ったのかなと思って。」
日「えー、別にいいじゃん、…」
「よくないでしょ、」
日「いいんだよもう、Aが気にすることじゃないー、俺気にしてて、」
「…酔いすぎ。ちょっとやめておきなよ、」
日「…んん、こうやってみると、やっぱ可愛いな、」
ぐ、と身体を引き寄せられて、
なんだか虚ろな目を向けてくる日高くんから目を逸らさなくなる。
どうもこの顔には弱いらしい。
惚れた弱みなんて、そんな簡単には言えないけど、
どうやったってその隣にはいれないと分かっていても、
好きな人からこんなことされて、
嫌なわけもないし、心が高鳴るだけ。
お酒の力も相まってか、
私の思考も少しずつ低下している。
( あぁだめ、すき、)
じわりじわりと胸の中を侵している
すき、という気持ち。
もうこれ以上好きになりたくない、
好きになったって、何も救われない。
ダメだ、と思った瞬間
テーブルに置いていた日高くんの携帯が震える。
日「んあ、…あれ、なんだこんな時間に…あ、」
パッと顔を離されて、携帯を手に取ると
着信相手に苦言をこぼすがその相手を見ると顔が綻んだのがわかった。
日「ごめん、……もしもし、どしたの。」
顔は離されても、手は腰に回ったまま。
電話相手なんて、かかってきた時画面を見た瞬間の表情でわかってたよ。
日「はは、俺?今直也くんと飲んでる。」
( 楽しそう、わかりやすすぎ。)
好きな人の電話。
日「え?友達もいる。くるの?やめとけって怒られるよ(笑)」
わかってた、
日「全然〜。いやもう無理飲んじゃってる。どこいんの?」
" 友達 " という関係から抜け出せないことくらい。
日「はいはい、気をつけます。直也くんにも言っておくよ。…理央もちゃんと寝ろよ?」
そんなこと、わかってたのに。
日「家に着くまでな。切らんでおくから、…うるさいなぁ可愛い可愛い。」
やっぱりあなたの隣にいるのは苦しい。
→
259人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rio(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます(*`∀´*)だいぶ進んできました〜!これからも楽しみにしていただけると嬉しいです!よろしくお願いします! (2019年1月3日 1時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - きましたね〜楽しみです! (2019年1月3日 1時) (レス) id: 3bb3b1d8ec (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - ひーさん» コメントありがとうございます!ありがとうございます〜!まだまだお話は続きますので、これからもよろしくお願いします(*`∀´*) (2018年12月15日 23時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - あきさん» コメントありがとうございます!遅くなってしまってすみません(´._.`)他メンはまだ出るつもりですが、後輩くんはこちらのお話には出てくる予定は今のところはありません、ですが別のお話には出てきてますのでよかったら見てくださいね* (2018年12月15日 23時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - 黄色さんのキュンキュン大好きです!待ってます! (2018年12月11日 0時) (レス) id: 3bb3b1d8ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:rio | 作成日時:2018年9月7日 20時