r a i n b o w _ (ページ32)

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「お茶～♪紅茶～♪わたしは～、っとと、！」

みんなから解放されて、
飲み物を買いに行こうとルンルンで
部屋を出る。

完治、とまではいかなかった。
でもあとはリハビリで、と言うところまで
来たので、今回先生からもオッケーが出た。

そんな中、部屋を出てすぐに
誰かに手を引かれて、目の前が真っ暗になった。

私はすぐにその理由がわかった。

「真司郎、」

與「…、」

「痛いよ、真司郎。」

そう言うと、渋々体を離す真司郎。
少し顔を歪めて、再び抱きしめられた。
今度は少し緩く。

「もう大丈夫だって、心配させてごめんね」

與「…ほんまに大丈夫なん」

「ちゃんと病院で検査もしたし、今度は無理だってしてない。」

與「今度は、」

「この前は無理してみんなに迷惑かけたから、だから今度は大丈夫、本当だよ」

與「迷惑なんて思っとらん、」

「…ん、真司郎、信じて待っててくれてありがとうね。」

與「おかえり、A。待っとったよ。」

顔を見合わせて笑う。
待っててくれる人がいることが、
こんなに心強いなんて、思ってもなかった。
真司郎だけじゃない、ファンの子や
もちろんメンバーなみんな。

おかえり、と言われることが嬉しかった。

それとね、

「真司郎、…あのね」

與「ん？」

「…聞きたいことが、あ」

浦「真司郎ー？Aー？」

西「自販機だよな？あれ？」

聞きたいことがあった。
でも、それは叶わなくて、
にっしーとリーダーの声に阻まれた。

ふう、と軽くため息をつくと
顔をのぞかせて、こっち！と手をあげる。

「真司郎に捕まってた(笑)」

西「抜け駆けだぞー、與！」

與「別になんもしてへんやん。」

「ねー？」

浦「ほら、戻んぞ！」

はーい、と手を上げて戻っていく。
真司郎が不思議そうな顔をしているのが見えて、
またあとでね、というと
小さく頷いた。

(真司郎と話す時、胸が熱くなるの、)

この1ヶ月で、少し気付き始めた気持ち。
私にはまだ、大きすぎるから、
もう少し、もう少しだけ、

大切なメンバーでいさせて。

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