r a i n b o w _ (ページ24)

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いつものようにソロが終わり、
調子が悪いと聞いていた台の上にいると、
本当はスタッフが移動させてくれる予定だったのに、
急に動くポップアップの台、

視界が揺らいだ。

それと同時に耳に響くスタッフの声と、
台が落ちる音。

次の瞬間、私の身体に衝撃が走った。

「っ、…いた」

『ポップアップ上げて！戻して！
だれか、医療班呼んできて！！』

起き上がれない身体と、
足に響く鈍い痛み。

「…、どう、」

掠れてる声、痛みと動揺で声が出なくて
声をかけてくれたのはマネージャーだった。

『A、A、聞こえる？』

「…、ごめん、大丈夫」

『よく聞いて、今このままじゃステージに戻れない、多分だけど、腰を打ってる、それと、衣装が引っかかって、足首を深く切ってる、止血するけど、止まるかわからない。』

「みんなは、…」

『スタンバイしてる。』

「…戻る、」

『駄目、このままじゃ戻れない。聞いて、』

「みんな待ってる、お願い、」

ファンの子が、待ってる、
メンバーが、待ってくれてる。

立ち上がろうとしても、動かない身体。

悔しくて、手を握った。
このまま、みんなを待たせるわけにはいかない
私の、せいで、待たせるわけには。

「…お願いがあります、千晃に、伝えてください。」

私に近いポジションをきっと、こなしてくれる千晃。

100%を見せられないのが、とにかく悔しくて、
私は近くの休憩場所へと連れていかれた。

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「止まった、」

『うん、でも一時的に止めたまでに過ぎない。
腰のようすも見たけど、折れたりはしてないから、固定はするね、』

「はい、」

『…戻るのは難しいよ、どうする』

「あの、足首は、折れては？」

『ない。けど、ヒビが入ってる可能性もある、見てもらわないとわからない。』

インカムから聞こえてくるのは、
私が抜けてから、二曲目の曲。

次は、MCだ。
みんなと話す時間もない、

私が決めるしかなかった。

きっと、スタッフ誰もが、
私をここで、ステージへと戻す人はいない。

「…、あの、聞いてもらっていいですか。」

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