【刀剣乱舞】私は陸奥守吉行の写し【山姥切国広】 (ページ20)

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現世、女性の買い物は長いページ20

そんなこんなで中々に上手くやってきたA。本日、念願の現世に出掛ける許可が下りたのであった。

今回Aと共に現世に降りるのは、加州、乱、薬研、燭台切、大倶利伽羅、それと引率の冬華である。初めて人の体で降りる現世ということで、まだ見ぬ世界にAは期待の心を抱いていた。

◇

それも束の間の幸せというものである。

「ヤバっ！A、キュート系似合うじゃん！」

「最初の2文字姉のオフショル、ちょー可愛い！」

「Aちゃん、ワンピースも似合うじゃない！シルエットが綺麗だわ〜！」

「次！次はクール系攻めてみようよ！」

「A、センター・クリース似合いそう！パンツはやっぱスキニー？今のシーズンならカーゴ？」

「このタートルネックにネックレス合わせてみましょうよ！」

「最初の2文字姉足長いし、やっぱりトレンチコートかな？」

Aが目当ての買い物を終えた瞬間にこの有様である。Aの荷物を、共にしていた薬研に押し付け(預け)、有名ブティックにAを連れ去る三人組。瞬く間にAは着せ替え人形へと早替わりした。

「.......女の買い物は長いな。」

「大倶利伽羅の旦那、よく見ろ。半分は男だ。」

「見てないで助けて......。」

「あ、悪ぃ、最初の2文字姉。燭台切の旦那から荷物運ぶの頼まれたから、ちょっくら行ってくる。」

「うらぎりものぉ！」

すたこらさっさとその場から逃げる薬研と大倶利伽羅。涙目のAは一先ずその場を切り抜けるため、お金を引き合いに出して長い買い物に終止符を無理矢理打った。

◇

「俺ちょっと厠に行ってくる。A、荷物持っててー。」

「じゃあボクも。」

「私も行こうかしら。」

「はいはい。全部持つから行ってきていいよ。」

大量に購入された服を見てAは溜息を一つつく。こんなの、写しの私が似合う筈ないのに。そう思ったが、陸奥守からの言葉を思い出して、口には出さないことにした。