【刀剣乱舞】私は陸奥守吉行の写し【山姥切国広】 (ページ15)

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懺悔、それは誰へのページ15

「えっ？.......あっ、ご、ごめんなさい！不快にさせた.......。やっぱり、写しの私なんか........」

「いや、すまない。俺の反応が悪かったよ。よく言われることさ。本霊があまり偽物君をよく思っていないみたいだからね。俺はそこまでじゃないし、呼び方も区別を付けるためだから。」

まぁただ、俺も山姥切長義としての矜恃を持つことは変わりないけどね。
堂々と言い放つ長義にAは本科を持つ身として、写しとして少し痛むものがあった。

「すごいね、長義は。......じゃあ、私はこれで＿＿」

「おーい長義、まだかいな？遅いぜよ。」

離の奥から顔を覗かせたのは、Aの本科・陸奥守吉行である。どうやら、長義の相手は彼だったらしい。

瞬間。ひゅ。Aの呼吸が嫌な音を立てる。
なんだ、これは。くるしい。つらい。なんで？

「おい、A？」

山姥切が様子がおかしいAを呼ぶ。しかし、Aはその声に反応することがなかった。そして一回、止まっていた息が吐き出されると、後方に倒れこむ。殴打した臀部が痛そうな音を立てた。

山姥切達がAに呼びかける。体を揺さぶる。しかしAは反応を起こさない。山姥切が加州達を呼んでこようとした時、ぽたり、と雫が一つAの頬を濡らした。

「＿＿＿ごめん、なさい。」

掠れた声で紡がれた一言。それは誰に向けられたのか分からない。Aは頭を抱えて、ごめんなさい、ごめんなさい、と懺悔を続けるだけであった。

「A！！」

どたばた、と山姥切に呼ばれた加州と大和守がAの元へと駆け付ける。旧知の仲である彼らなら何か、と思ったものの、Aは何も反応を示さない。しかし、一度だけAが懺悔以外の言葉を口にした。

「きみはる＿＿っ。」

「きみはる？......あっ！」

心当たりがあるのだろう。Aの言葉を拾った加州は、一人事態を把握した。
兎も角、このままでは何も解決しないから、とAを強制的に眠らせる。気絶したAには、哀しげな涙の痕が付いていた。