【刀剣乱舞】私は陸奥守吉行の写し【山姥切国広】 (ページ14)

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本科、山姥切のは以外にもページ14

「あー、Aこんな所にいた。」

「加州、大和守。」

「主に部屋の場所訊いてきたから、これから案内するよ。山姥切、案内ありがとねー。」

「ああ。」

加州と大和守の迎えが来たため、少し名残り惜しいものの、Aは粟田口の部屋を離れることとした。着物の中でぬくぬくしていた子虎を五虎退へと渡した時、ぴりり、と小さな痺れがAの体に巡った。腕を確認すると、引っかき傷から血が滴っている。どうやら、子虎にやられてしまったらしい。

「あー、それくらいなら手入れはいらねぇが、人の身である以上菌が入っちまうからな。とりあえず水場で洗ってきな。そしたら、俺が手当てしてやるよ。」

「分かった。.....水場って何処かな？」

「俺が案内しよう。そのまま俺は部屋に戻る。」

「ありがとう、山姥切。」

立ち上がったAと共に山姥切も部屋から出る。山姥切曰く、近くに手合用の離があるため、水場も共に置かれているとのことだった。

◇

着いた先でAは傷口を水で洗う。ぴりぴり、とした感覚が続く体にAは「人の体は不便だ。」と零した。

洗い終わったAは水に濡れたままの腕で戻ろうとする。人らしからぬ行動に山姥切は改めて新入りだと感じた。離に常備してある手拭いを持ってくる、と山姥切が告げた時、からから、と音を立てて離の扉が開かれた。

「やぁ、偽物君。君も手合か？」

中から現れたのは山姥切国広の本科、山姥切長義であった。日の光を反射する銀の髪は少し乱れていて、それに合う色の肌からは汗が滴り落ちている。

「おや、そちらの彼女が陸奥守A？」

「ああ。色々あって、水場に用があってな。ここまで案内してきたんだ。」

「へぇ。俺は山姥切長義。そこの山姥切国広の本科さ。宜しく。」

「......よ、宜しく。」

政府では不仲だと聞いていたため、思いの他山姥切への対応が温和な長義にAは少し戸惑った。しかし、差し出された手を無視は出来ないので、一歩遅れて手を握った。

「なんか、聞いてたのと違うね。」

「えっ？」