9.ちょっと待ってくださいよ ページ10
１時間目、英語の授業
「はい、それじゃあ皆、教科書26ページを出来るだけ速く読んで、隣の人と勝負ね」
英語の授業定番のスピード音読勝負。
これはカイト大得意だから、勝ち目ないんだよな……
……待てよ、勝負ってことはさ……
後ろにマジな人達がいる……
恐る恐る振り向いてみた。
案の定、闘志を激しく燃やす美人二人組が舌を口の中で回して滑舌トレーニングをしている。
こんなことに本気になる人なんて世界に姫野さんと西園寺さんしかいないと思うな……
「Ready……go!!」
先生の合図で音読を始める皆。
「I am a……ああ無理だああ」
私は舌がもつれて早速脱落。
「(ペラペラペラペラ)」
カイトのやつ、いつも通りにスムーズに読む。
もう私の勝負はどうでもいいんで、後ろの席の方に耳を澄ました。
「(ペラペラペラペラペラペラ)」
「(ペラペラペラペラペラペラ)」
あ、カイトの3倍速いですね。
そして……2人ともほぼ同時に終わった。
どっちもどっちだと思うな……
「「私が速かった！」」
姫野さんと西園寺さんが言い合ってる。
でもそんなのに意味はないと彼女らは気づき、次の瞬間、どこを向いたかと言うと、
私だった。
後ろを向いていたのが全ての間違いだったんだ……
「ねえ、Aさん」
「何でしょう姫野さん」
「今のどっちが速かったかしら？」
そう来ると思ってましたよ。
「いや……なんで私に聞くの？」
ごまかしてみた。
「だってあなたずっと見てたじゃないの。私達だけじゃ勝ち負けは決められないしね」
彼女に悪気はまったく無いようだ。
それが１番辛いんだよ……
「い、いやしっかり聞いてたわけじゃないし……」
実際そうでもないけど。結構しっかり聞いてたけど。
「……それなら、これからしっかり見ててもらおうよ」
西園寺さんがこちらも真面目な顔で言う。
え？これから？
ちょっとタンマ。
いやそんなの彼女らには通じねえ。
「それってどーゆーこと？」
苦笑いの私。
「だからあ、私達の勝負のジャッジになってほしいってこと！」
私良いこと思い付いた！って表情の西園寺さん。
ジャッジ？審判？
なんだと？
「それは良いわね。Aさん、いいでしょ？」
冗談じゃねえ！なんで私があんたらの勝負なんか見なきゃいけないのさ！
と言おうとしたら言い切る前に絶対2人の髪色が変わるだけ(西園寺さんも変わると思う)じゃ済まなさそうなので、テキトーにうなづきました。
私関係ないのに！！
ラッキーキャラクター
如月ちゃん(夢主)
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諸星夢月(プロフ) - アルゴンさん» ありがとうございます！ (2018年8月11日 14時) (
レス) id: 222891f609 (このIDを非表示/違反報告)
アルゴン - 面白いです！これからも頑張ってください( ＾∀＾) (2018年8月11日 11時) (レス) id: 1a9de2f6b0 (このIDを非表示/違反報告)
諸星夢月☆こみゅ行けません(プロフ) - しぇるんさん» ありがとうございます！テストで更新が滞っていますが、もうすぐ再開するので西園寺さんの活躍にもご期待ください！ (2016年12月4日 9時) (レス) id: acc2a9a5be (このIDを非表示/違反報告)
しぇるん(プロフ) - 面白いです!!そしてヒドインだけど西園寺さん好きですw更新待ってます! (2016年12月4日 9時) (レス) id: ac3cde1086 (このIDを非表示/違反報告)
諸星夢月☆こみゅ行けません(プロフ) - あいさん» ありがとうございます！前からずっと温めていたストーリーなので嬉しいです(o^−^o)色の変え方は私も他の方の配布CSSを借りているだけなので、よく分からないです。「CSS」で検索すると、分かりやすく説明している作品もあるようですが……。お力になれず申し訳ないです (2016年11月22日 17時) (レス) id: acc2a9a5be (このIDを非表示/違反報告)
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