33.テニス大会 ページ36
第一試合はヒドイン二人組とユウ、リクくんペア!
「いくわよ!」
そう言ってえらく速いオーバーサーブを放つ姫野さん。
「ちょっと、速いよ!」
ユウが思わず叫び、リクくんもたじろぐ。
ボールはあっという間に反対側のコートに勢いよく着地した。
おいおい、これじゃまるで世界大会の決勝に素人が参加させられているようなものじゃないか。
結局当然のように二人組が圧勝した。
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次は私とカイトペア、ヒドイン二人組の試合だ。早く終わらせたい。切実に。
「それ!」
西園寺さんの強烈なオーバーサーブ!
「うわ、怖っ!」
思わず私はしゃがんでボールを避けてしまった。
「何してんだよ!」
カイトが私を見下ろす。なんと屈辱。
「だって怖いじゃん!」
「怖がるなよ、ちゃんと前を見れば打ち返せるさ」
そう言って微笑む奴。珍しいな、励ましてくれるなんて。
「よし、小学校テニス代表の底力を見せますかあ!」
立ち上がる私。
「……バトミントンだろ」
苦笑いのカイト。さっきのお返しだよ!
「そろそろいいかしらー?」
姫野さんは私達のOKサインを見計らってサーブを打つ。
速い!でも……
「これさっきも見た気がする」
見慣れた軌道、これなら!
「ていっ!」
馬鹿みたいな声を出して思いっきりラケットを振った。
……ちょっとした沈黙がコートに流れ、姫野さんの足元にボールが落ちる。
「打ち返した……!?」
ヒドイン二人組はもちろん、皆が唖然としていた。
私、運使い切ったかもな。
でもって、その後もカイトと協力してまた打ち返すことができた。
「「すごい!!」」
ユウとリクくんが同時に声を上げる。だがその時、
ザザっ
「また黒いのが……?あれ?」
でもさっきと同じ黒いものに気づいたのは私とカイトだけだった。
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「やっぱり無理だよねー……」
それはまぐれだったのか、当然のように私達は負けた。
皆でつくった夜ごはんのカレーを食べながら、今日の1日を振り返る。
でも、本当にあの『黒いもの』は何だったんだろう……?
「気になるのか?」
カイトが私の顔を覗く。
「うん、まあね……」
「心配なら、個室をやめて二人部屋にしたらどうかな?ベッドは2つあるから」
ユウの提案に皆で乗ることにした。
ラッキーキャラクター
如月ちゃん(夢主)
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諸星夢月(プロフ) - アルゴンさん» ありがとうございます! (2018年8月11日 14時) (レス) id: 222891f609 (このIDを非表示/違反報告)
アルゴン - 面白いです!これからも頑張ってください( ^∀^) (2018年8月11日 11時) (レス) id: 1a9de2f6b0 (このIDを非表示/違反報告)
諸星夢月☆こみゅ行けません(プロフ) - しぇるんさん» ありがとうございます!テストで更新が滞っていますが、もうすぐ再開するので西園寺さんの活躍にもご期待ください! (2016年12月4日 9時) (レス) id: acc2a9a5be (このIDを非表示/違反報告)
しぇるん(プロフ) - 面白いです!!そしてヒドインだけど西園寺さん好きですw更新待ってます! (2016年12月4日 9時) (レス) id: ac3cde1086 (このIDを非表示/違反報告)
諸星夢月☆こみゅ行けません(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!前からずっと温めていたストーリーなので嬉しいです(o^−^o)色の変え方は私も他の方の配布CSSを借りているだけなので、よく分からないです。「CSS」で検索すると、分かりやすく説明している作品もあるようですが……。お力になれず申し訳ないです (2016年11月22日 17時) (レス) id: acc2a9a5be (このIDを非表示/違反報告)
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