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「あ、」
ドライヤーを終えてリビングに戻ると
全身の力が抜けているかの如くソファに身を委ねるむーちゃんの姿が目に入って、勝手に愛おしくなった。
「むーちゃんおかえり」
『んー、ただいま』
「今帰ってきたんだ？」
『そう』
「アイス買ってあるよ」
『まじで？』
「ハーゲン」
『お、さすがだなぁ』
こころなしか彼の声に元気がない。
おそらく消化しきれないまま相当な課題を胸に抱えて帰ってきたのだろう。
それ以上のことは私にはわからないから
とりあえずスルーして、冷凍庫の扉を開けてアイスを物色なんかしたりしてみる。
何食べよっかなぁ〜なんて呑気な声を出すと
『A、』
むーちゃんがか細い声で私を呼んだ。
「んー？」
『あのさー』
「うん」
『あのー…』
「なによ(笑)」
『まっっっじで気持ち悪いこと言うかもしれないけど』
「うん？」
『一瞬でいいから、ギュッてしてくんない？』
「…へ？」
予期せぬワードが耳に響き渡って思わず振り向けば
こちらを切なげに見つめてくるむーちゃんと目が合って、シンと空気が静まり返る。
「…あ、えっと、」
まさかそんな可愛らしいお願いをされるとは思ってなくて言葉に詰まっていると
『ごめん！やっぱ忘れて』
「え？！」
『今俺めっっっっちゃくちゃ気持ち悪かった！引くわ自分でも、引く引く。忘れて今すぐ！』
むーちゃんは頭をがしがし掻いて真っ赤な顔を隠すようにソファに雪崩れた。
「いやそんなこと言われても無理だって！ねえ、むーちゃん」
『あーもう無理無理ほんっとに恥ずかしい』
「むーちゃんてば」
こうなってくるとアイスどころではない。
冷凍庫の扉を閉めて小走りでむーちゃんのいるソファへ駆け寄る。
クッションに顔を埋めて項垂れるむーちゃんの横っ腹をちょんちょんすればちょっぴり体を捩らせるからまた面白い。
ニヤニヤを抑えきれない私は、側からみれば相当意地悪く見えているかもしれないけれど
滅多に見られない彼氏の貴重な姿を見れているのだから仕方のないことだ。
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musubi.(プロフ) - ユキさん» 貴重なご意見ありがとうございます！作者としましては櫻井さんもまた中々に捗りがちなので、移転先でもちょこちょこ作品を投稿したいと考えてます^_^ (2021年9月10日 20時) (
レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - こんにちは。どのお話も素敵で大好きですが、櫻井さんのお話が本人のイメージにぴったりでした。更新楽しみにしています。 (2021年9月9日 20時) (レス) id: 03f475eb75 (このIDを非表示/違反報告)
musubi.(プロフ) - na__175さん» まさか感想をいただけるとは…！この度はコメントいただきありがとうございます！今後も、リアルでキュンとする作品をお届けできればと思っております^_^ (2021年9月5日 22時) (レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
na__175(プロフ) - 野田さんの作品、セリフの感じが本人ぽくてキュンときました、、、、また楽しみにしています！ (2021年9月5日 20時) (レス) id: 24730842e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：musubi. | 作成日時：2021年1月12日 23時
