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たった一度だけ、酔った勢いで夜を共にした相手がいること。
そしてその相手のお腹の中に、小さな命が宿っているということ。
身籠ったことについては彼自身もつい最近聞かされたらしく、自分が犯してしまった過ちの重大さにどうしたらいいかわからなくなっていること。
数ヶ月前の夜に聞かされた話をかいつまんでまとめると、こんな感じだったと思う。
言いたいことは山ほどあった。
涙も出ないほど、呆れてしまった。
もっと賢い人だと思っていた。
信じていた自分が馬鹿らしくなった。
ごっちゃごちゃに入り乱れた感情に身を任せて
激しく張り倒してやろうかと考えたけど
めんどくさくなってしまった。
なにもかもリセットしたくて、投げ出したくなって
「…そっか、」
という私の無機質な声が部屋に響いた。
結局
結婚するはずだった予定は白紙になり
彼とも別れることになった。
ブロック削除じゃ気が済まなかったLINEアカウントも一から作り直して、家族と仕事関係者、そして両手で収まるくらい数の少ない友人と呼べる友人だけに今回の事情を報告した。
私以上に感情を剥き出しにして怒ったり悲しんでくれたり、それは辛かったねと寄り添ってくれる優しさに救われる中で
櫻井 健一朗なんかようわからんけど、おかえり。
という彼らしいメッセージが返ってきた時は
ひどく安心した反動からか、不思議と涙が溢れて止まらなかった。
日常が変わらずに進んでいくというのなら
落ち込んでばかりは、いられない。
「櫻井くんの今の家初めて入るけど、相変わらずごちゃついてるね」
『もう今はしゃーないやん。アキレスのせいってことにしといて』
「ていうかなんで怪我しちゃったの？」
『…プライベートバスケ』
「あちゃー、よりによってプライベートで」
『それな。ほんま相方もやし色んな人に申し訳が立たん』
普段はAIのように感情を露わにしない櫻井くんも、
さすがに今回の件についてはだいぶ落ち込んでるのが伝わる。
「どれくらいで治るもんなの？」
『とりあえず松葉杖が取れるまでは１ヶ月半…くらいは掛かるんちゃうかなぁ。取れた後もリハビリあるし、完全復活は結構遠いかも』
「なるほどねぇ」
『せやからAちゃんが近くに住んでるのだいぶデカいねん』
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musubi.(プロフ) - ユキさん» 貴重なご意見ありがとうございます！作者としましては櫻井さんもまた中々に捗りがちなので、移転先でもちょこちょこ作品を投稿したいと考えてます^_^ (2021年9月10日 20時) (
レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - こんにちは。どのお話も素敵で大好きですが、櫻井さんのお話が本人のイメージにぴったりでした。更新楽しみにしています。 (2021年9月9日 20時) (レス) id: 03f475eb75 (このIDを非表示/違反報告)
musubi.(プロフ) - na__175さん» まさか感想をいただけるとは…！この度はコメントいただきありがとうございます！今後も、リアルでキュンとする作品をお届けできればと思っております^_^ (2021年9月5日 22時) (レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
na__175(プロフ) - 野田さんの作品、セリフの感じが本人ぽくてキュンときました、、、、また楽しみにしています！ (2021年9月5日 20時) (レス) id: 24730842e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：musubi. | 作成日時：2021年1月12日 23時
