本当の仲間は知っている

悲劇の予感 ページ3

急いで学校から去り、家に帰る。


「ただいま。」



私が帰ったきた途端にママが心配そうに首を傾げた。

「彩、お帰り。今日の学校大丈夫だった？」




いじめられていることを家族は知っているんだ。

つい、声を漏らして言っちゃったの。



……もう心配はかけたくない。

だから、いつも、笑ってこう答えるんだ。

「いつも通りだよ！」




別に嘘をついてる訳じゃない。


いつも通りのイジメ。





私さえ……我慢すれば良いんだから。





葛藤していると、突然、電話の着信音が響いた。

電話に近い場所に居たから、私が出たんだ。




「もしもし。」

「あっ、もしもし。
　小塚ですが、立花彩さんいらっしゃいますか？」



電話相手は、聞くだけで落ち着く声の小塚君だった。

「私だよ、彩。」
　

「あ、アーヤ……。
　今日、カフェテリアに集合してね。」

返事をしようと口を開いた瞬間、ブチッと電話が切れた。



思わず、眉を寄せ、受話器を見つめる。



……どうしたんだろう？

いつもは返事をする前に切ったりしないのに。


それに、どこか声のトーンが低かった。




……別に気にしなくていいよね。




そう思ってた私は甘かったと思う


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