本当の仲間は知っている

事件内容 ページ20

そこまで言うと、美門さんが美しい口を尖らせた。


「でも、その事件ってそっちの方が有利じゃない？

　だって、そっちが持ってきた事件なら、こっちより一歩リードしてるってことでしょ？」




まあ、妥当な反応だよね。

私は首を横に振る。



「それに関しては大丈夫。

　1日くらいあれば、どうして学校に来なくなったのか分かるから。」



すると、小塚さんが眉を潜めた。

「それって、事件性ないし、対決の意味もなくない？」




それも問題なし。

探偵なりにしっかり配慮してあげてるんだからね。



「ヒントをあげると、そのほのみちゃんは、学校トラブルで来れなくなったの。


　だから、ほのみちゃんを元気にして学校に行くように説得する。
　先に説得できた方が勝ち。


　言っとくけど難しいから。」




皆が頷いたのを確認する。





よし、そろそろ開始しようかな。



深く息を吸い、キッパリと言った。


「これより、探偵対決を始める！
　お互いになんでも有り！

　用意、スタート！」




そう言った途端、若武さんが悔しそうに声を出す。

「おい！それ、俺の台詞！」




この場に及んで、まだそんなことを言えるんだね。

悪いけど、無視させてもらうよ！



私はリーダーとして、フレンド全体に指示した。



「忍は、学校のネットをハッキング。
　足跡残らないように気をつけてね。」

「ん、難しそうだけど、その方が燃える。」




「ハッキング！？」

ハッキングという言葉にKZらが過剰反応する。




けれど、全て聞こえないフリ！

少しくらい無視したって構わないでしょう？




「マリンと悠飛は現場の下見に行って。」



「分かった！」

「りょーかい。」



「菜穂はみんなの電話待機をよろしく。」


「オッケー、何かあればすぐ連絡するね。」



「翔は、頼んどいたものの準備を。
　私は、ほのみちゃんに接触する。」



「明日の朝まで待てるか？
　あと少しで出来上がる。」



ん、ありがとう！

「分かった。
　じゃあ、接触は明日にするよ。

　これにて解散！」




KZや黒沢さんは唖然としていた。



みんなの知っている私には、リーダーシップなんてなかったもの。

でも、私だって変わるよ。




みんなの知っている私は、もう私じゃない。



KZに向き合い、華麗に礼をする。



「それでは、失礼します。

　偽り探偵チームKZさん？」

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