本当の仲間は知っている

あいつらとは…… ページ17

「彩、KZがいるけど、どうする？」


砂原がKZのいる方へ睨む。




あの人たちというのはKZ。


そして、黒沢さん。



「別にいいよ、もう関係ないんだもの。」

そう言いつつも、本当は怖いんだ。



でも、迷惑を皆にかけたくないの。




私が我慢すれば良いだけだよね。




どこか席が空いてないか確認した。


けれど、今はKZの隣しか空いてないみたい。




うぅ、なんて不運なんだろ……。


肩を落としながら、KZの隣に座った。



そうすると、こちらの存在に気づいた若武さんが話しかけてきた。

「おい、立花！何が目的なんだ！？」




相変わらずの大声で一気に注目を浴びたんだ。


あぁ、やっぱり座らなければ良かった！





けれど、私の気持ちを知りもしない若武さんは話を続ける。

「無視するんじゃねー！」





えっと……こういう時は赤の他人のフリをすれば良いよね。

というか、私とKZを繋ぐものなんてないじゃない。




だったら、無視しても構わない……！？




テンパったせいで、いつのまにか、変なゴールへ辿り着いていた。

「ねえ、悠飛、なに奢ってくれるの？」



ニコニコしながら問うと、悠飛は無視という意見に乗って、ニヤッと笑う。



「なんでも奢ってやる。
　どっかのうるさい奴は忘れよーぜ。」


すると、若武さんは勢いよく立ち上がった。




「いい加減にしろぉ！」



あぁ、もう相手をした方が速い。

渋々若武さんの方へ向く。




「何か用でしょうか。」


平然、平然。

繕った笑顔を必死に見せた。



「やっと聞こえたか！
　言いたいことはひとつだ。


　立花、何を考えている？」




えっと、何を考えてるって……？

「だから、テストの結果のことだよ！」


あぁ、そのことね。

そうならそうと、最初から言ってほしい。



私は、皮肉に笑う。



「何って言われても、私の実力。」



すると、上杉さんがフッと笑う。

「どうせカンニングしたんだろ。」






そういうの言いがかりって言うんだよ。

「どうしてそう思うの？」





「だって、んな良い点取れるわけねーだろ。
　人をいじめる奴なんかが。」

キッと鋭く睨む目。


懐かしいものだね。




「そうだね、その言い分は正しいよ。」

黒沢さんみたいな人は、良い点なんて取れない。



人をいじめる暇があるもの。


上杉君は鋭い目をさらに酷くした。

「だったら、カンニングを認めろ。」



何も知らないくせによく言うよね。

今にも反吐が出てしまそうだよ。

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