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強さは知っている ページ40

「召喚魔法 サタン。
 召喚魔法 Water dragon(水竜)


私の攻撃は止まらない。



そんな中、みんなは上手く攻撃を防いでいる。



早く、早く、私を消して……!




そうしなければ、みんなの力が間に合わない。





私は、懸命に自分の心に声をかけた。







もうやめて





止まって





誰も消したくないの







すると、一瞬だけ、自分という自分の意思が戻った。




私はその瞬間を見逃さず、叫んだ。

「みんな、今だよ!」



私は出来る限りの声を出した。




これが私が出来る最後のこと。


正直言うと、まだ生きたい。




でも、翔は命をかけて、私を助けてくれた。

だから、私も命をかけて、みんなを助けなければいけない。




私の頬に、一粒の涙がつたる。




泣いちゃだめだよ。

苦しいのは私だけじゃないんだから。



そう思うのに、涙が止まらないのは何故だろう。




私がそう考えてる間に、若武が私の間合いに入った。



これだけ近くで魔法を発動してくれたら、
流石の私でも、どうしようもない。




あぁ、少し短い人生だったな。



「炎魔法!」

若武がそう叫んだ時だった。




何かに包まれる。

とても温かい何かに。




始めは若武の魔法の炎かと思ったが、気づいた。




若武が私に優しくハグしていることに。

「わ、若武……?
 何してるの!?

 早く魔法を発動して!
 若武まで消してしまう!」



私は自分の意思がある間に、腕の中から出れるように暴れた。


でも、若武は離さなかった。




「アーヤ、俺たちはアーヤを消さない。
 殺さない。

 だって、仲間だろ?」



若武の言葉が痛いほど、心の傷に染みた。



でも、私の心の闇は止まれない。



「召喚魔法……」

だめ、魔法を発動してはだめ。



若武まで消してしまう。





私は必死に抑えた。



「アーヤ、お前なら勝てる。
 自分の闇に。

 俺らはアーヤの強さを知っている。」



若武は優しすぎるよ。

本当にバカな人だよね。



私は、自分の心を落ち着かせ、闇に囁いた。







大丈夫




もう大丈夫だから






私がそう心の闇に言うと、闇が言った。

今にも枯れそうな声で。




”許してくれるかな、大丈夫かな“





私は心の底から優しさを込めて言った。









許してくれるよ、だって……翔だもの




そう言うと、闇が笑ったような気がした。

闇から光へ→←止めて



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あき@草売り大魔王(プロフ) - 未胡成さん» ありがとうございます!そう言っていただけてとてもうれしいです!今までこの作品を見守ってくださってありがとうございました! (2020年4月9日 7時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
未胡成(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白かったです! (2020年4月8日 23時) (レス) id: 1aec104bc7 (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - 彗さん» ハンドパワーだ← 少なくとも頑張れ!(( 根性だー(棒) (2020年4月8日 21時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あき@草売り大魔王さん» 書く気が出るほどの事起こんないかな← (2020年4月8日 21時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - 彗さん» 書く気を出すんだ!ファイト〜!← (2020年4月8日 16時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あき@草売り大魔王 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp  
作成日時:2019年6月29日 19時

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