2つ目の悲劇 ページ20
また歩き出した私たち。
私たちはさっきの小塚君みたいにならないように、なるべく離れないようにする。
立花「ねえ、そういえば、小塚君って本当に食べられたのかな?」
みんなが立ち止まる。
若武「当たり前だろ!それしかねーじゃん。だって、すぐに小塚の姿が消えたじゃん!」
若武が苛立ったように言った。
うぅ、そんなに怒らなくても……。
上杉「おい、バカ武、立花に八つ当たりすんなよ。」
上杉君が若武を小突いた。
若武が静かになる。
若武「アーヤ、悪かったよ。」
あら、素直に謝った。
立花「ううん、大丈夫だよ。」
黒木「どうしてアーヤは、小塚が食べられてないって思ったの?」
うーん、なんでだろう?
立花「分からないや。」
そう言うと、全員がコケた。
若武「わかんねーのかよ!」
うん、分からない。
立花「なんていうか、小塚君が食べられたっていう実感がないんだよ。むしろ、食べられていないっていうくらい。」
美門「それってどういう基準?」
さあ?
でも、そんな気がするんだ。
七鬼「立花って、やっぱり天然だな。」
え?そう?
天然は忍じゃないの?
砂原「でも、案外、彩の言ってること当たってると思うぜ。」
みんなが翔を見た。
黒木「その根拠は?」
砂原「さあな。」
翔がそう言った次の瞬間、寒気がした。
なんだろう。
立花「ねえ、何か嫌な予感がしない?」
美門「そう?ってなんだ?!」
翼の大きな声が洞窟に響く。
?!
若武「どうした!美門!どこだ?!」
若武が叫ぶ。
でも、もう翼の声は聞こえない。
唯一の光魔法を持っている翼が居なくなったため、魔法で明るくすることもできない。
立花「翼も、いなくなったの?」
そう言うが、誰も何も話さない。
でも、その中、喋る人がいた。
砂原「おい、行くぞ。」
か、翔……。
立花「翔、行くの?」
砂原「当たり前。あの2人の無念を俺たちが晴らさなくて、誰が晴らす。」
翔、かっこいいな。
どんな時も前を向く姿。
翔って凄いな。
私も凄くならないと!
翔みたいに!
立花「そうだね。行こう。2人のために。」
若武「お前ら!そういう良いところはリーダーのものだぞ!勝手に仕切るな!」
上杉「お前より砂原の方がリーダー向いてるかもな。」
黒木「ま、若武先生は目立ちたがり屋だから、許してやれよ。」
七鬼「早く行こうぜ。」
あぁ、好きだな。
こういう感じ。
あの2人がいたらもっと。
私たちはまだまだ進む。
あの2人のために。
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あき@草売り大魔王(プロフ) - 未胡成さん» ありがとうございます!そう言っていただけてとてもうれしいです!今までこの作品を見守ってくださってありがとうございました! (2020年4月9日 7時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
未胡成(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白かったです! (2020年4月8日 23時) (レス) id: 1aec104bc7 (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - 彗さん» ハンドパワーだ← 少なくとも頑張れ!(( 根性だー(棒) (2020年4月8日 21時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
彗(プロフ) - あき@草売り大魔王さん» 書く気が出るほどの事起こんないかな← (2020年4月8日 21時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - 彗さん» 書く気を出すんだ!ファイト〜!← (2020年4月8日 16時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あき@草売り大魔王 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp
作成日時:2019年6月29日 19時