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「系さーん…寒いです。」
目の前に広がる湖を見ながら、隣にいる彼に言った。
「我慢しろ。俺も寒いんだ。」
「いや、めっちゃくちゃ暖かそうですが？」
ジト目で睨めばちらっとこっちを見て鼻で笑った。
くそ性格悪いなぁぁぁぁ！！！
そもそもなぜ湖にいるのかというと、簡潔に言えば鑑定のためのサンプル採取のためだ。先日、解剖したご遺体の肺に溜まっていた水が淡水だと分かったので、放置されていた工事現場付近の湖やら池やらを調べていたのだ。
だがこれがアホみたいに辛かった。
なんと工事現場の半径3キロ内には、10以上の湖、池、沼、川があったのだ。これでも絞った方だから困る。多すぎでしょ、どう考えても。ちなみに坂本さんはラボで他の鑑定待ち。
「…よし、次行きますか。…へ、っくしゅ！」
「…大丈夫か？」
「大丈夫です。」
口ではそう言うが、実際はクソ寒い。春だと言うのにクソ寒い。水辺だから余計に寒い。うう、と身震いしてもう一度くしゃみをした。隣からため息が聞こえてきて、あー、呆れてるなー、なんて思っていたら、ふわりと肩に重みがかかった。驚いて自分の肩を見れば、系さんのカーキ色のコートがかかっていた。
「え、系さん、これ。」
「寒いんだろ、着てろ。」
「でも系さんが」
「あ゛ぁ！クソ！風邪ひかれでもしたら俺が困るんだ！黙って着てろ！」
「わぷっ！」
荒っぽくフードを被らされて、危うく機材を落とすところだった。なんなんだもう、とフードを取ると思いもよらない光景が目に入った。
「え…系さん顔真っ赤ですよ。」
「……」
「え、ちょっと系さん大丈夫ですかいだだだだだ！」
しっかり見ようと覗き込もうとしたら、ぐいーっと顔を反対方向に押された。首が！痛い！
なんとか手を退けると、次行くぞ、と系さんは歩き出した。既に離れた場所を歩いている彼を慌てて追いかけ、次の場所へと向かった。
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月影(プロフ) - たこさん» ありがとうございます！再更新に向けて頑張ります！ (2018年8月16日 22時) (
レス) id: 23e17ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
たこ - とても楽しく読ませてもらいました！私もアンナチュラル好きだったので、この小説を見つけられてとても嬉しいです！続きがとても気になるので、再更新待ってます！がんばってください！長文失礼しました。 (2018年8月15日 22時) (レス) id: ca9d716e46 (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - はらさん» ご指摘ありがとうございます！！！忘れてしまうので指摘してくれる方がいるのとても嬉しいです！ (2018年5月10日 18時) (レス) id: 831fe892d1 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月10日 17時) (レス) id: 9f3c62d37e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トマトご飯 | 作成日時：2018年5月10日 16時
