ヴィラン個性でもヒーローは目指すことが出来る

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「もう退院出来るんだ、早いね……っと」


ヒーロー殺しと遭遇して、明日には退院するとは。轟は3人の中でも比較的軽傷だったのかも知れない。
……いや、確かリカバリーガールが治療を下と麗日が言っていたから、リカバリーガールが治療を出来る範囲内で、軽傷………それって軽傷と言うのだろうか。

逆に心配になってしまった。


《アイツから学べることは学んでおきたい。それに、実際やってもねぇのにヒーロー殺しを倒したことになっているアイツが、一体どんな顔をしているのか見てぇしな》


………あ、うん、轟は通常運行のようだった。
最近はぽわぽわしてきたというのに、エンデヴァーが関わると相変わらずなのか。よく1週間、職場体験に行くと決めたな……と、Aは改めて関心してしまったほどだ。

さて、なんて返そうか…と考えていると、追加で返信が送られてきた。


《吉澤はどうなんだ？ベストジーニストのところにいるんだろ？》

「こっちは平和だよ……っと」


実際、ベストジーニストのところでの職場体験は驚くほどに平和だ。パトロール中にもそうだが、それ以外に緊急の呼び出しなんかも一切ない。
流石にベストジーニストが守っている市内だとあまりヴィランが活発に活動しないのか…と、Aは考えていた。
トップレベルのヒーローが守っているところだと、犯罪も起きにくいのかもしれない。

ああ、でも別にずっと穏やかな職場体験という訳でもない。日に日にストレスが溜まっていく爆豪の横で歩かなければならない時は極力影を薄くしようと努力している。
……努力する方向性、間違えている気もしなくもないが……


「……あぁ、でも接近戦に対応出来るように、最近は指導をしてもらっているよ…っと」

《ベストジーニストからか？》

「そうだよ…っと」

《職場体験後、時間あるか？手合わせしてぇ》


ま、マジか……！
職場体験では爆豪相手に接近戦を強化し、ベストジーニストから指導を受け、職場体験後に轟相手に再確認……


最っっっっっっ高に良い！！！！！


Aは自分の環境が怖いほどに恵まれすぎていて、ウハウハで「何時でもいいよ！！！」とラインを返した。

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