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───『自分の得意な戦法に相手を引きずり込め』
───『既に答えが近くにある』
Aなりに考えてみた。
多分、こういう事……ですよね？
「では、はじめ！」
開始の合図と共に、予想通り爆豪は突っ込んでくる。
それに対しAは後ろに下がり、敢えて距離を取る。
そして個性の幻覚を使用して、床から体育祭の騎馬戦で使用した黒い手を出した。
「っ！」
突然目の前に現れた黒い手に、爆豪は止まることなく突っ込むしかない。
結果、かなりあっさり確保することに成功した。
……まぁ、初見殺しもいい所なんだけど。
接近戦が苦手なら、しなきゃいいじゃない！……なんて大胆な考え方だとは思う。
でも、戦闘において正解はない。別に遠距離攻撃と同じでA自らが拳や蹴りで相手をする必要は無いのだ。
「そこまでだ」というベストジーニストの言葉で、爆豪を床に下ろす。
せっかくストレス発散出来そうな機会が一瞬で終わってしまったから、当然「再選させろ！」と暴れ始める。
やれやれ、と呆れた態度を隠さずにベストジーニストは"どうする？"という視線をAに送る。
「もう一度お願いします」
「そう来なくっちゃなァ！！！」
「………はぁ。分かった、それじゃあ位置について」
あの黒い手を接近戦で使うには、より繊細なコントロール……再現が必要になる。もっとちゃんと相手を見て、次の手の行動を予測する。
慣れや練習が足りない中、A組の中でも接近戦ならトップの爆豪との練習は、Aからもお願いしたいものだった。
……たとえ、それがストレス発散のサンドバッグだったとしても。
結局、Aの退勤時間になるまで爆豪の相手をすることになり、フラフラになりながら帰り支度をする羽目になったが。
「ヒントは見つけられたようだな」
「はい。もっと練習が必要になるので、まだまだですが」
「……あの黒い手は、炎や花びらと比べれば、かなり抽象的なものだと思うのだが、よく幻覚であそこまで再現出来るものだ。何か理由でもあるのか？」
「理由、ですか…？いえ、特には。強いて言うなら……私の個性が発覚した時に出した幻覚が、あの黒い手なんですよ。だから、長年使用しているくらいですね」
「ほう、そうだったのか。また明日詳しく聞かせてくれ」
「はい、今日も1日ありがとうございました」
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鬼龍炎(プロフ) - 続き楽しみにしてます！展開が楽しみです！ (2020年11月12日 1時) (
レス) id: 7c87da37ca (このIDを非表示/違反報告)
マキャベリ - 楽しみにしてます！面白かったです！ (2020年11月2日 14時) (レス) id: 303ab2eb20 (このIDを非表示/違反報告)
nightmare - 見てて、楽しかったです。これからも更新を楽しみに待ってます！ (2020年10月31日 23時) (レス) id: 97bb721bbe (このIDを非表示/違反報告)
ママリりすす(プロフ) - ありがとうございました (2020年10月24日 1時) (レス) id: ec99ffd70c (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 展開面白かったです！これからも更新楽しみに待ってます！！ (2020年10月19日 18時) (レス) id: 0a962740d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらもち | 作成日時：2020年10月19日 12時
