ヴィラン個性でもヒーローになって大丈夫……？

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その後、尾白の発言に続いたB組の男子生徒も同じ理由にて辞退をミッドナイトに申し出た。

その2人に対して、「そういう、青臭い話はさァ…………好み！！！庄田、尾白の棄権を認めます！」と良い笑顔で言ったミッドナイトはとても個性的だった。

ちなみに、青山も尾白と同じチームを組んでいたが、彼は本戦に出場するとの事だった。


そして、2人が辞退した枠に2名の繰り上がりがされ、そこでB組から2人の選手が選ばれた。

計16名による本戦、そのトーナメントの結果がくじ引きにより発表された。




前半ブロック


第1試合
緑谷出久 ＶＳ心操人使

第2試合
轟焦凍 ＶＳ瀬呂範太

第3試合
塩崎茨 ＶＳ吉澤A

第4試合
飯田天哉 ＶＳ発目明





後半ブロック

第5試合
芦戸三奈 ＶＳ青山優雅

第6試合
常闇踏陰 ＶＳ八百万百

第7試合
鉄哲徹鐵 ＶＳ切島鋭児郎

第8試合
麗日お茶子 ＶＳ爆豪勝己




……初っ端から、他クラス、しかもお昼休みの時のハイライト映像にそんなに映っていなかった人との対戦が決まってしまった。確か障害物競走で4位、女子の中だと1位の超大物だ。

だけど、騎馬戦の時に確か……峰田のハチマキをあの髪の毛のツルのようなもので取っていたのは見ていた。
ここで騎馬戦の前半であまり動かないで周りをよく見ていたのが功を奏した。

ならば、うん。勝ち筋は見えた。

準々決勝、おそらく当たるのは飯田だろう。あのスピードをどう攻略するのかが鍵になるとAは考える。
だが、始まって直ぐに最高速度に行く訳では無いだろう。エンジンという個性なら尚更だ。
つまり、Aもまた、先手がかなり重要となる。

飯田に勝ったところで、待っているのは準決勝に轟もしくは緑谷、決勝に進みそうなのは……爆豪だろう。

分かっていたけど、予想以上に厳しい戦いになりそうだ。

あと、自身のアピールの為に生み出した必殺技も、使い時を考えなければ……


と、考えているAの所に、1人の女子生徒が近付いてきた。


「あの、貴方がA組の吉澤さんですね？」

「はい、貴方はB組の塩崎さんですよね？1回戦はどうぞよろしくお願いします」

「ええ。こちらこそ正々堂々と良い試合をお願いいたします」
　

塩崎に合わせてとても丁寧な言葉遣いになってしまったが、後ろから「えー！吉澤めっちゃ丁寧じゃん！」と元気な声の芦戸は正直余計だ。

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