６１ ページ15
轟が2発目の攻撃を放ち、緑谷がまた吹き飛ばす。
さらに轟が3発目を走らせるが、これも緑谷が打ち消した。
どんどんバキバキになっていく指が痛々しく見える。
すると、不意に上鳴が後ろを振り向いた。どうやら先程腕相撲をして2回戦進出を決めた切島が戻ってきたらしい。
「お！切島、2回戦進出やったな！」
「おうよ！次おめーとだな爆豪！」
「ぶっ殺す」
「はっはっは、やってみな」
切島はまったく爆豪の暴言を気にせず答える。
だが、今行われている試合を目にした切島は分かりやすく顔をしかめた。
「とか言っておめーも轟も、強力な範囲攻撃ポンポン出してくるからなー」
「ポンポンじゃねーよナメんな」
「ん？」
「筋肉酷使すりゃ筋繊維切れるし、走り続けりゃ息切れる。個性だって身体機能だ、ヤツにも何らかの限度はあるはずだろ」
そうだ。Aも爆豪の言うことと同じ事を思っていた。
というか、離れた観客席ですら肌寒いというのに、あの攻撃を体から出している轟は絶対寒いだろう。体温がどんどん下がって、動きが鈍くなりそうだ。
「なぁ！吉澤にも個性使い過ぎると良くないこととかあるのか？」
「あるよ。私の個性を知っている医者に『吉澤さんレベルで個性の反動が怖いものはなかなかありませんね』って言われたほどだし」
「「「え」」」
切島と爆豪の会話を聞いていた峰田がAに質問してきたので、試合を見ながら簡潔に答える。
まぁ、そうだろう。個性の限界が分かりにくいものだ、気付かずに許容範囲をオーバーするなんて昔は沢山あった。
その度に夜に見る夢で精神崩壊しそうになるんだから、かなり怖い反動だと思う。
何故か観客席がざわめき始めたが、集中して試合を見ていたAには小声で話されている内容は聞こえなかった。
「ちょ、ちょっと待って、それってどういう……」
「そういえばAちゃんって、個性を多用することはあまり無いわよね」
「それは、個性の反動を抑えるためだということか……？」
「マジかー……ベストエイトにあっさり残っちまうほどの強個性……そりゃ簡単に使えるわけないか」
「でもでも！Aちゃんの個性の反動なんて見た事ないよ？！」
「あまり出ないように、調節しているということでしょうか……？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらもち(プロフ) - 夢桜さん» 感想ありがとうございます。体育祭での準決勝は、何度も頭の中でシュミレーションしながら文を考えたので、そう言っていただけて本当に嬉しいです！お気に入りもありがとうございます！ (2020年10月19日 12時) (
レス) id: ab0ed3cc07 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - ご感想失礼します。吉澤ちゃんが轟戦でWonderlandと叫んだ瞬間と、その個性の威力にとても驚きました！！戦闘シーンも分かりやすくそんな模写が頭を過ぎって凄い凄いと語彙力が飛んでしまいました……！お気に入り失礼します。これからも無理せず頑張ってください！！ (2020年10月18日 10時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらもち | 作成日時：2020年10月14日 7時
