第八話 不機嫌 ページ10
朝。
外は晴天。
私の心情とは違い過ぎて皮肉を言われているような気分にもなる。
いつもの如く自ら罵倒を浴びせられに行くバカらしさを背負いつつ教室に入る。
「ヒッ…!Aちゃんが睨んできた…!」
あーあ、ユウさんも懲りずによくやるねぇ。
「おいいい加減にしろよ!」
「昨日もユウをいじめていたらしいな!」
あぁうるさい。
その耳障りな口全部縫い付けてやろうか。
今日は寝不足で機嫌が悪いんだよ。
『はいはいすごいねー』
面倒なので適当に返事をする。
「はぁ!?だから、もうユウをびびらせんなっつーの!」
エースは声を一層大きくした。
『はぁ、もううんざりだよ。何?君らにとって尋問ってそんなに楽しいもんなの?』
「それはお前が…っ」
デュースが言いかけた途端、ユウがそれを遮った。
「もうやめて!」
しんと沈まりかえる教室でユウが続けた。
「Aちゃんは悪くない…。何をされても怖くて声が出なくなる、弱い私が悪いの!だから、Aちゃんを責めないで!」
私は驚きを隠せず一瞬目を見開いた。
…うっわ、ここまで来たらもう鳥肌モンだよ。
流石に引いたわ。
「なに言ってんの?お前はそうやって優しすぎるところが良くないんだよ」
エースが途端に優しい表情になる。
「そうだ。でも、本当にAとは大違いだな…」
デュースは私を睨んだ。
えぇ、これでも胡散臭いとか何も思わないの!?
『君らの頭の悪さは重症だね』
「はぁ!?」
「それとこれは今関係無いだろう!?」
ユウの方を向いていたバカ二人が血相を変えて歩み寄ってくる。
おっと図星なのかな?
面白い反応しちゃってさ。
1733人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Yukimi(プロフ) - 優ちゃんも夢主ちゃんも夜森さんが考えなければ産まれなかった存在だから、操られてたんじゃなくて、夜森さんが考えた夢主ちゃんが本当の夢主ちゃんたちなのかなって。ごめんなさい、なんか意味分からんくなりましたね、3つめのコメント失礼しました (2月29日 4時) (レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 優ちゃん、辛いなあ。性格って環境で変わっちゃいますよね。愛されたいよね、いじめられっ子なんて尚更、何処かで優ちゃん幸せになって.... (2月29日 4時) (レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 何もかもが好きすぎた作品でした。最後に色々と考えさせられてもう、ほんと、好きです。小説の良さを言いたいけど語彙力が無くて言えない私を殴りたい。自分忘れっぽいののか面白い小説読んでも忘れちゃうタイプなんです、この小説だけは忘れたくない... (2月29日 3時) (レス) @page47 id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
猫狗 - ずっと読みながらにやにやしてしまう僕はどれだけ性格悪いのだろう...((もう、言葉が出ないくらいしっくりきました…!くひひって笑い方いいな...((( (2023年3月7日 18時) (レス) @page49 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - こうゆうのが読みたかったんですこういうのが!!!!!!!!! (2023年2月22日 2時) (レス) @page47 id: 447cc165c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜守 | 作成日時:2020年8月6日 18時