ヒロインなんて糞くらえ 【ツイステ】

第三十三話　ベタな展開なんて見たってしらけるだけだろうが ページ37

『あ、これ…、昨日やったやつだ』


イデアが出してきたゲームの束の中に先日やったものがあったのでそれを指す。


「へぇ、こんなマイナーなゲームよくあったね」


『まぁ、中古ですっごい安かったから買ったしね』


そんな雑談をしなてたらもうゲームの準備が出来ていた。


イデアがやってくれたのだが。


「コントローラー一つしか無いんだけど…」


『あぁ、だいじょーぶ。私は見てるだけでいいから…、って！？』


「うわっ、な、何…？」


『そのユーザー名…』


驚いたのは先日にやったときに二度もボコってきたユーザ名だったからだ。


このゲームはユーザー名が被らないようになっているから絶対に同一人物であることは間違いないのだ。


『あ、いや、大丈夫。何でもなかった…』


説明が面倒なので適当に誤魔化した。


しかし私が本当に驚いたのはそこではない。


どうしてこんなベタな展開になるんだ…。


前世に姉の少女マンガで見たことあるぞ、この展開…。


まさか本当に私は少女マンガか何かのヒロインなのか！？


マンガではそのあと部屋でヒロインとイケメンふたりでイチャついてたな…。


…まぁ、イデアに限ってそれは無いか。


「フフッ、弱すぎて相手にもならないっすわ〜ｗ」


イセアがニヤニヤし始めた。


いつの間にか一戦を終えていたようだ。


イデアのキャラが徐々に変わってきている。


イデアのキャラが多少変わったところで私を押し倒すことは無いだろう。


でもこの状況はなんとなく好ましくない。


というか、男女が部屋で二人っきりとか“ふじゅんいせーこーゆー”の鏡ではないか。


なんて意味の解らない自問自答を繰り返していると部屋のドアをノックする音が背後から聞こえた。

第三十四話　噂の一人歩き→←第三十二話　師匠の元へ行こう、何回かしか話したことないけど

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