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第三十話 面倒くさい ページ34

『だぁぁぁ!!負けたぁぁ!!!』


寮でなければ絶対近所に迷惑をかけるであろう音量の声を深夜に出してしまった。


『くっそ〜!もうちょいで勝てたのに〜!!』


悔しさを噛みしめながら時計を見るともう既に深夜の一時を回っていた。


『眠…』


一つ大きなあくびが出たので、ゲームをセーブし、部屋の電気を消した。




次の日、やはり朝から凶悪な睡魔が私に取り付いていた。


そんなことも知らない学園生徒諸君は私に話しかけてくる。


エース、デュース、ユウは本当に懲りない。


授業中居眠りしていたらトレインにネチネチ怒られた。


“生徒の興味をそそる授業を提供してほしい”と抗議したらもっと怒られた。


そんなこんなで放課後になった今も機嫌が絶望的に悪い。


「あっ、おーい!A〜!!」


背後から私の名前を呼ぶ明るい声が聞こえてきた。


声の主は勿論、


『カリムか…』


振り返ると満面の笑みでこちらに走ってくるカリムが。


嫌な予感しかしない。


『悪いけど、今すんごい機嫌悪いんだよねぇ…』


カリムに自分はとても何かしたい気分ではない事を伝えてみる。


「そうか!あのな、今日宴をやるんだが、Aに来て欲しいんだ」


“そうか”と聞こえたのはどうやら私の幻聴だったようだ。


『いや〜、今日は気分じゃないからパス』


「ありがとう!じゃあ今夜六時にスカラビアまで来てくれ!!精いっぱいもてなしてやるから!」


『いや、だから行かないって…』


私の主張は全て無視し、カリムは去って行った。


正直言って、死ぬほど行きたくない、行くなら死んだ方がまだマシだと思う。


しかし、ばっくれてもそれはそれで面倒だな。


まぁ、この瞬間が一番面倒なんだけど。

第三十一話 丁度良かった→←第二十九話 ゲームでもしたい気分だった



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Yukimi(プロフ) - 優ちゃんも夢主ちゃんも夜森さんが考えなければ産まれなかった存在だから、操られてたんじゃなくて、夜森さんが考えた夢主ちゃんが本当の夢主ちゃんたちなのかなって。ごめんなさい、なんか意味分からんくなりましたね、3つめのコメント失礼しました (2月29日 4時) (レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 優ちゃん、辛いなあ。性格って環境で変わっちゃいますよね。愛されたいよね、いじめられっ子なんて尚更、何処かで優ちゃん幸せになって.... (2月29日 4時) (レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 何もかもが好きすぎた作品でした。最後に色々と考えさせられてもう、ほんと、好きです。小説の良さを言いたいけど語彙力が無くて言えない私を殴りたい。自分忘れっぽいののか面白い小説読んでも忘れちゃうタイプなんです、この小説だけは忘れたくない... (2月29日 3時) (レス) @page47 id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
猫狗 - ずっと読みながらにやにやしてしまう僕はどれだけ性格悪いのだろう...((もう、言葉が出ないくらいしっくりきました…!くひひって笑い方いいな...((( (2023年3月7日 18時) (レス) @page49 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - こうゆうのが読みたかったんですこういうのが!!!!!!!!! (2023年2月22日 2時) (レス) @page47 id: 447cc165c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜守 | 作成日時:2020年8月6日 18時

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