第二十三話 問題だ…… ページ27
『そんなだから容姿を称賛されるたび胸糞の悪い過去と最低な両親を思い出すんだよ』
私は親の顔を思い出しながら息を吐いた。
三人の表情すらも見る気にはならなかった。
「それは流石に…アンタの故郷って…」
ヴィルのその言葉に被せるように私は立ち上がった。
『私はここで席を立たせてもらうね。やらなきゃいけないことがあるんでね。ごちそーさま』
エペルは何か言いたげだったが、それも無視して私はポムフィオーレを出た。
さて、私のやらなければいけないこと。
寮に戻って、紙とインクの匂いの広がる部屋の自分の机に向かう。
そう、遺書を書くのだ。
適当な紙を出し、ペンを手に取り、つらつらと文字を紡ぎはじめて三十分。
『これは問題だ…』
私は自分の書いた遺書を読み返した後に思わずそう呟いてしまった。
何が問題かと言うと私の壊滅的な言語力と文才の無さである。
最初は“私はいじめられています”で始まり、最終的に“やはりカレーは辛口がいいと思います”で終わっているのだ。
いや、もはやこれは言語力や文才の問題では無く、私の性格上の問題の方が大きい気がする。
これは…。
面倒くさいので明日いろいろ考えることにして、もう寝よう。
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Yukimi(プロフ) - 優ちゃんも夢主ちゃんも夜森さんが考えなければ産まれなかった存在だから、操られてたんじゃなくて、夜森さんが考えた夢主ちゃんが本当の夢主ちゃんたちなのかなって。ごめんなさい、なんか意味分からんくなりましたね、3つめのコメント失礼しました (2月29日 4時) (レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 優ちゃん、辛いなあ。性格って環境で変わっちゃいますよね。愛されたいよね、いじめられっ子なんて尚更、何処かで優ちゃん幸せになって.... (2月29日 4時) (レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 何もかもが好きすぎた作品でした。最後に色々と考えさせられてもう、ほんと、好きです。小説の良さを言いたいけど語彙力が無くて言えない私を殴りたい。自分忘れっぽいののか面白い小説読んでも忘れちゃうタイプなんです、この小説だけは忘れたくない... (2月29日 3時) (レス) @page47 id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
猫狗 - ずっと読みながらにやにやしてしまう僕はどれだけ性格悪いのだろう...((もう、言葉が出ないくらいしっくりきました…!くひひって笑い方いいな...((( (2023年3月7日 18時) (レス) @page49 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - こうゆうのが読みたかったんですこういうのが!!!!!!!!! (2023年2月22日 2時) (レス) @page47 id: 447cc165c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜守 | 作成日時:2020年8月6日 18時