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「模様替えした?」
「おお、よく分かったね!
散らかりすぎてお母さんにこの前怒られたから
掃除ついでにちょっとだけ変えたの」
「でもまぁまだ散らかってっけどな」
「えぇ?せっかく頑張ったのに〜」
そんな他愛もない話をしながら
ボスっ、てベッドの上に座った宏くんに
内心ドキドキしながら私はその下のラグに座り込んだ。
「で?話って?」
「うん……、」
もう本題に迫ってくるか。
正直何を話すってわけでもなかったんだけど
少しでも一緒にいたかったっていうか…。
「………、」
「………、」
でもそれを言わない私に
沈黙が流れる。
一階からはお母さんがご飯の後片付けをしている音が微かに聞こえてきてて
息を飲んでから後ろを振り返った。
「宏くん」
「ん?」
ベッド上で後ろ手に両手をつきながら
私の言葉に目を合わせて耳を傾けてくれる。
何年もずっと見続けてきた姿なのに
その声も目線も息遣いも
何をとっても、好きなとこだらけで
嫌いになれるとこなんて見つかんない。
こんなんで諦められるはずなんて、ない。
「何万回も聞いてるって言われても
好きな気持ちは変わらないし諦められないし……、
私は宏くんのことが、本当に好きなの」
「……おう、」
「本当に……、本当に私は
宏くんの彼女にはなれない……?」
タイムリミットが迫ってるからこそ
いつかは本気でぶつかって伝えなきゃいけなかった気持ち。
終わってしまうのが怖かったけど
それを恐れていたら、きっと始まることもないから。
「……ごめん、」
いつもみたいな軽い感じはなくて
宏くんがなぜか苦しそうに放ったその三文字。
答えなんて分かってたはずなのに
「そっ………か、」
伝えたことを後悔してしまうほど
私の中の全ての生きがいを無くしてしまったかのような
絶望感と虚無感に襲われて
涙さえも出なかった。
.
それからは宏くんと会うことも
話すことも、すれ違うことさえなくなって、
……というか、必然的に私が避けてたから。
あっという間に宏くんが実家を出る前日になってしまって
私は………、家で一人朝からずっと布団の中に閉じこもっていた。
もういっそ
早く宏くんが離れていってくれた方が楽な気がして
その時をただじっと待つ冬眠状態、みたいな。
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はちみつみゆ(プロフ) - piroponcandyさん» いや、ほんとですよね!前に北山さんが言ってた、朝にぶつかってその夜に飯屋とかで再会して〜みたいな運命憧れるってのをお話にしたものの、有り得なすぎる、笑 ぶつかるだけでもう本当にその通り!気絶!それを介抱されたいですね♪笑 (2021年3月15日 17時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
piroponcandy(プロフ) - 羨ましい〜(*´∇`*)いくら偶然とはいえ、1日に2度も北山さんとぶつかるなんて(≧∇≦)どう考えても無い事だよねー、声聞けただけでも嬉しいのに、ぶつかったら、気絶するかも(//∇//) (2021年3月11日 6時) (レス) id: bcc9486015 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - piroponcandyさん» 心臓バクバク!良かったです、そう言ってもらえて(;▽;)大事なとこはやっぱり呼び捨てにされたいですよね♪告白と不意な呼び捨てなんて北山さんにされたらほんと、そくしですね。笑 また新しいリク作品も宜しくお願いします♪ (2021年3月9日 21時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつみゆ(プロフ) - hiさん» コメントありがとうございます!大好きだなんて言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(;▽;)ツンデレ北山先輩ですね♪私も北山先輩設定すきなのでもう少しお待ちいただくとは思いますが書かせていただきますね♪リクエストありがとうございます♪ (2021年3月9日 21時) (レス) id: cbb2d30d12 (このIDを非表示/違反報告)
piroponcandy(プロフ) - キュンキュンして心臓バクバク。さっきまで"ちゃん"付けてたのに、告白で呼び捨て(≧∀≦)熱を持った北山さんの瞳に見つめられたら即死です(//∇//) (2021年3月7日 6時) (レス) id: bcc9486015 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2020年10月21日 10時