恋愛注意報

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「まぁまぁ、私のことはいいから！
みつみつは？なにしてたの？」


「え？俺？
俺はさっきまで友達とサウナ行ってた」


「……サウナ？」






サウナってあの、男だらけで
暑い部屋に閉じこもるやつ？

花の大学生が？






「最近すっげハマってんの」


「……へぇ、おっさんみたいだね」


「おいこら」


「ふふ、でもそっか！
なんかいい匂いするとおもったらお風呂上がりだからなんだね」








さっきから公園の土の香りに混じって
石鹸の清潔ないい匂いがするな〜って思ってた。









「え？そんな匂いする？」


「うん、するよ〜石鹸の匂い……
シャンプーかな？」








くんくん、と鼻を鳴らして隣の北山くんに近付くと
ぐいっとブランコの持ち手を引き寄せられて、








「わっ、！！」








バランスを崩した私は
反射的に北山くんにしがみついた。


ふわっ、とさらに強く石鹸の香りがして、








「大丈夫？」









って、間近で聞くその声は
少し掠れた低い声。








.








その声になぜか
ドッドッドッ、て心臓が悲鳴を上げた。

なんだ、この非常事態みたいな心拍…！！









「だ、だいじょうぶっ！！！！」








緊急事態に慌てて距離を取ろうと体を離すと
背中に手を回されて、さっきよりも更に密着して
熱いくらいの北山くんの体温を感じた。









「ひっ、……！！

「誕生日、おめでと」









耳元から伝わったその声は
あまーく、身体全体に染み渡った。

さっき藤ヶ谷先輩と飲んでた
甘ったるいカクテルくらい。









「良かったわ、今日会えて。
誕生日は恐怖のイベントなんかじゃねぇよ？
Aが産まれてきた大事な日じゃん」









トクトク…、と伝わるその心地よい鼓動と
男を嫌でも感じてしまう、体の逞しさ。


男の人に抱き締められるってこんなに気持ちいいんだって思うと同時に
押し離そうとしてる私の腕の力も弱まってしまう………、







から………、









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「だ、だめーー！！」

「ぬわっ、」









お酒で鈍ってる理性をめいっぱい振り絞って
ドーン、と力いっぱい押し出したら
想像以上の力だったみたいで、ブランコから落ちてしまった。

北山くんが。

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