欲しい愛と、知らない恋 ３

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「あーん、でもする？」


「え？俺がされんの？」


「いつも私がしてもらってるんだもんっ」






あーん、って夜ご飯のオムライスをひろの前に差し出せば
戸惑ってたくせに反射的におっきく口を開けてくれて






「………ひとくち、でかくね？」






むぐむぐしながら、文句をひとつ。

でもこうしてひと口を大きくするのは
ひろのほっぺがパンパンになるのが可愛くて好きだからわざとなんだな〜、ってニヤニヤしてると
お返しにかなりひと口おっきめの
あーんをひろからもされて、二人で頬をパンパンにして。








「今日はデザートもあるからな〜」


「え、ほんと？」


「会社でさ、差し入れに貰ったの」


「わーい、やったぁ！」


「シュークリームと羊羹」


「素晴らしく和と洋な組み合わせだね」


「はは、確かに」








オムライスを食べ終えて
シュークリームを半分こして、クリーム多めの方を私にくれて、

羊羹はそんなに好きじゃないから
ひろのお口に突っ込んで(おい)

なんでもないけど、失ってしまう今になって気付く幸せ。









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「ね、ちょっとこっち来て」


「ん？」






茶碗を二人で洗って
先にキッチンから抜け出した私は
あるものを持って、リビングのカーペットへと正座した。







「ちょっとね、ひろに渡したいものがあるんだ〜」


「え？なになに？」






濡れた手を洋服に拭きながら
興味津々にペタペタ歩いてくるひろに
私はそのあるものを手に、はいっとまだ立ったままのひろに手渡した。







「………え？」


「ひろにね、今までの感謝を込めてプレゼントあげますっ」


「プレゼント……？」







眉間にシワを寄せながら訝しげにそれを受け取ると
私の目の前に私と同じく正座をした。








「開けてみて？」


「えっ？ちょっと待って、俺に？」


「うんそう、あと他に誰がいるのよ」


「えっ、ちょっ、えっ？」







動揺しまくりのひろに
いいから早く、って無理矢理にその小さな箱を開けさせた。

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