３ 藤ヶ谷side ページ3
「前も気になったんだけど、その手に書くの癖？」
そう言って、その小さな手を見つめると
恥ずかしそうにギュッと握りしめて隠そうとする仕草。
全然、隠れてないけど
一応隠そうとしてるのは伝わってきて
なんだかかわいくて笑ってしまう。
その俺の様子に首を傾げながらも話始める。
「癖というか…、頼まれたことをパッと書くには手のひらが一番便利なんです」
「ふはっ、それ小学生時代によくやってたわ」
「私もですっ！
小学生時代にやってて、また今やってます毎日。
ほんと便利ですよ〜！」
なぜだか嬉しそうに、藤ヶ谷さんもやりますか？って
その油性ペンを渡される。
・・いやいや、やらないでしょ
と心で突っ込んだものの
あまりにも嬉しそうに渡してくるもんだから一応それを受け取った。
「……ん？」
「さて、この１１桁の数字はなんでしょう？」
スラスラと、彼女の手のひらに書いたその番号。
「えっ、なんだろ…？」
「今日帰ったら、この番号を携帯に打ちこんでみよ！」
「携帯ですか？
………っあ、携帯番号っ！？」
えーっ？！？！
ってそこら中に響くくらいの音量で驚くその子に
しーっ、てすると
慌ててその番号が書かれた手のひらで口を抑える。
「それ、誰にも見られないようにね」
「えっ？！あっ、はいっ！？」
「名前なんていうの？」
「私のですかっ？！？！」
「はは、他に誰がいるの」
「私はっ、わたし…っ、阿部Aと申しますっ！！」
「阿部…、Aちゃんね」
ニッコリと笑顔を見せると
分かりやすく動揺しはじめて
なぜだかキョロキョロしだすAちゃんに
また笑いがこみあげて笑っていると
遠くから例の先輩が、阿部〜っ！！って叫んでいるのが聞こえてくる。
「っはっ！！！！呼ばれてる！！行かないとっ！！」
「気をつけてね」
「はいっ！ではっ！！」
パタパタと慌ただしく走っていくその後ろ姿を見つめながら
返しそびれた油性ペンに気づいて
あ、と小さく声が漏れた。
まぁ、いいか。
すぐまた会えるんだし、予備も持ってるっしょ。
それより、衝動的に連絡先を教えてしまった自分に
自分が一番ビックリしてる。
ちょっとだけ、興味がある。
面白いし、放っておけない感？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2283人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はちみつ(プロフ) - 梓さん» お話読んでくださってありがとうございます。ご指摘されましたところ、全て訂正いたしました^^* (2018年10月8日 8時) (
レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 沢山の直しを言ってしまいすみませんでした(>_<) (2018年10月8日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - またまた続けてのコメントですみません。 物語読んでいて思ったのですが...。 34のここの台詞 「反則やん、あれは…っ」 主人公ちゃんって関西出身の設定なんですか？ (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - また続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 24のここの台詞 だって阿部ちゃんは、他に仲良さそうに人もいないし 地方まで来て、一人でご飯食べるなんて寂しいじゃん？ これ正しくは他に仲よさそうな人もではないんでしょうか？ (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - 続けてのコメントですみません(>_<) これ棚じゃなくて椅子とか段差ではないんでしょうか？ 低い棚ってなんですか？ 聞いたことないのですが...。 (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はちみつみゆ
| 作成日時：2017年7月28日 22時
