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「昨日、なんで連絡くれなかったの?」
そのまま真っ直ぐ見つめられながらそう言われて
はっ!と我にかえる。
「そうだっ!!
連絡しようと思ったら、もう文字が滲んじゃってて解読不可能だったんです!」
「あれま、そうだったの?
無視されたのかと思った〜」
「違います違いますっ!そんなわけないですっ!!
すいませんでした、本当に」
平謝りな私に、また爽やかな笑顔を見せながら
近くにあった紙きれにすらすらとまた書かれていく番号。
「はい、これなら滲まないでしょ?」
これで連絡先を教えてもらったのは二度目。
前回は油性ペン。
今回はボールペン。
なんて贅沢ものなんだ、と思いつつも
有り難く深くお辞儀をしながら受け取ろうとして
ふと沸き上がる疑問。
どうしてそんなただのスタッフの私なんかに連絡先を教えてくれるのか。
.
「あの…、」
「ん?」
「なんで私なんかに連絡先を教えてくれるんですか…?」
「ん〜…、知りたい?」
「知りたいですっ!」
期待に満ち溢れているであろう眼差しの私に
ふわりと優しく笑う。
「じゃあちょっと目瞑ってみて?」
「えっ?なんで…っ、
「いいから、いいから」
そっと、目の前に手のひらを差し出されて真っ暗になる視界にドキドキして
更に、手首からの香水の香りに
ギュッと目を瞑ると
.
.
「……ひみつ、」
.
急に耳元に感じた吐息と、それはそれはとっても甘い声。
突然のその甘さが聴覚から全身に染み渡っていって
腰が抜けるかと思った。まじで。
「ひ、ひみ…っ?!//」
ふふ、って楽しそうに笑って
そのまま頭をポンッてされて行ってしまった藤ヶ谷さん。
.
「ひ、ひみつ…っ?!//」
え、なにが秘密なのっ?!
そもそもなんの質問にたいして、その返答が来たんだっけ?!
ぷしゅー、と音がしそうなほど赤面しているであろう顔をおさえて座り込む。
「こわい…、
キングこわい…、」
囁かれた耳を抑えながら、ひたすらにこの高鳴る鼓動を必至に抑えていた。
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はちみつ(プロフ) - 梓さん» お話読んでくださってありがとうございます。ご指摘されましたところ、全て訂正いたしました^^* (2018年10月8日 8時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 沢山の直しを言ってしまいすみませんでした(>_<) (2018年10月8日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - またまた続けてのコメントですみません。 物語読んでいて思ったのですが...。 34のここの台詞 「反則やん、あれは…っ」 主人公ちゃんって関西出身の設定なんですか? (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - また続けてのコメントですみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 24のここの台詞 だって阿部ちゃんは、他に仲良さそうに人もいないし 地方まで来て、一人でご飯食べるなんて寂しいじゃん? これ正しくは他に仲よさそうな人もではないんでしょうか? (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - 続けてのコメントですみません(>_<) これ棚じゃなくて椅子とか段差ではないんでしょうか? 低い棚ってなんですか? 聞いたことないのですが...。 (2018年10月6日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2017年7月28日 22時