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「あの、ライブ終わってすぐに帰っちゃっていいものなんですか?」
人通りの少ない道は
恐らくホテルに向かってるであろう道のり。
また抱かれるのかな、と緊張感を悟られないように
なるべく普通の会話をしながら隣を歩く。
「あー、まぁ他のメンバーもいるし大丈夫っしょ」
「そうですか……」
「だって今日捕まえとかないともう会えない気がしたし………電話番号あげてかけてこなかった女初めてだし……ってか、名前!俺まだ名前知らねんだけど」
歩きながらも勢いよくこっちを見るから
そういえば言ってないかも、と笑ってしまった。
お互いの名前も知らずに
よくあの夜、あんなに抱き合えたもんだなぁ…って。
「Aって言います、すいません平凡な名前で」
「んなことないよ、可愛いじゃん。
それに笑顔も可愛いし」
「………っ!」
Aか〜、って私の名前を口にしながら
さらっと繋がれる手。
付き合ってるわけでもないのに
手って繋ぐものなのかなぁ…って
繋がれた手を思わず凝視してしまう。
可愛い、とか手を繋いだりとか
なんかもう色々とキャパオーバーすぎて。
私だけが振り回されて、浮き足立ってる。
「ライブはどうだった?楽しかった?」
「はい!めっちゃくちゃかっこよかったです!」
「はは、まじか」
照れたように笑って
鼻をゴシゴシこすって照れてるのを誤魔化す仕草にキュンとした。
「あれはモテますよねぇ」
「え〜?別にモテないよ」
「そんなわけないですっ、あれでモテないとか世の中の大半の男性に失礼です」
「あはは、なんだそれ」
もちろん他のメンバーさんのファンの方もいるんだろうけど
私が彼に連れ去られた時
あの周りからの視線は本気で怖かった。
「いくらモテても、モテたい子にモテないんじゃ意味ねぇけどな………」
「え?」
呟くようにそう言ったその言葉は
少しでも距離が離れれば、街の音にかき消されそうなほど小さかった。
「あ、着いた。行こ」
聞き返そうとしたけど、それを許さないかのように手を引かれて
入った場所はこの前よりも高級感がありそうなホテル。
手馴れた様子で受付を済ます彼に
私はただ俯き気味でついて行くしかなかった。
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くまのこ(プロフ) - だいぶ出遅れました…はちみつさんとはちみつさんの書くお話が大好きです!終わらせずに受け継いでくださったことを感謝致します!他のお話楽しみにしてます〜!はちみつさん好き!!!! (2020年1月15日 11時) (レス) id: 9fffa79d91 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - はちみつさん!!全然気にならさらないでくださいーーー!!はちみつさんが書かれるお話は何でも大好きなので!!!←声を大にして笑!わざわざメッセージありがとうございます!!これからもコメントいっぱいさせていただきますっ!笑←迷惑な奴(笑) (2019年12月28日 18時) (レス) id: 773bebed2a (このIDを非表示/違反報告)
ユーミン(プロフ) - お疲れ様です。こちらは楽しく読ませてもらってるので書かれるのは大変だと思います。 (2019年12月28日 17時) (レス) id: 3a1ba1b625 (このIDを非表示/違反報告)
mora(プロフ) - なんと!!!消してしまうんですか!?えーん…このお話も、好きなのに残念です(T▽T) (2019年12月28日 16時) (レス) id: daf44fdab0 (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - あら残念(^_^;)途中きっとこの北山さんは主を好きになるのかなと期待をしていたのですが(^_^;)作者様の意向ですから仕方のないことです(^_^)キラハグ、恋愛注意報は楽しみにしています!今年も沢山楽しませてもらいました(^^)良いお年を! (2019年12月28日 12時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ. ましろ | 作成日時:2019年10月2日 19時