【HQ】ネコさんのマネはキツネさんのマネになりました。

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「……………」



さっきまで機嫌が悪かった時とはうって変わって、侑は自らの失言に顔を青ざめ、口を抑えたまま俯いて動かなかった。

治は侑がAに暴言を吐いたことにかなり腹を立てていたが、侑の様子に声をかけられず、拳をギュッと握りしめて立ち竦んでいた。

他の部員も、シン…とした体育館で誰も声を出せずその場から動かなかった。1人を除いて。



「侑」



茫然と立ちすくむ侑に、北が声をかけた。かけた言葉は部員が聞いたこともないような声色をしていた。



「Aに謝ってこい」



「………………」



北に声をかけられても、侑は動けなかった。大方また暴言を吐いてしまいそうで怖いのだろうと考えた北は、監督の方へ向かっていった。

少し相談したあと、また侑のほうに戻る。



「お前、次の試合出るな」



北のその言葉に、やっと顔を上げた侑は、「バ、バレーはできます…！」と抗議する。



「ちゃうわ。あんな暴言吐くやつにバレーする資格ないっていうてんねん」

「マネージャーのこと大切にできんやつはうちの部活にはいらん」

「頭冷やしてこい」



侑は爪が食い込むほどに拳を握りしめ、悔しそうにしていたが、北の言葉に何も言い返すことができず、素直に応じた。



「……………………すんません」



部員全員に向かって謝り、侑はとぼとぼと体育館を出ていった。
Aを探しに行こうか迷っていたその時。



「あ、ちょうどいいところに。A知らない？」



音駒の主将、黒尾が侑に声をかけた。

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