第九十一話_絵麻side_ ページ12
絵麻「あ、新入生の人が来たよ」
侑介「ん?ああ、ホントだ。
....うわっ、どいつもこいつも何かガキって顔してんな」
今日は陽出高校の入学式だった
この日は授業はなく、在校生のうち一部の人たちだけが式を手伝うために登校している
侑介君とわたしも誘導役をすることになり、同じ役目に選ばれた人たちと一緒に校門の脇に作られた案内所で待機することになった
ただ誘導役といっても陽出高校はそれほど広くないし、本当に念のため、といった感じなので、仕事はほとんどなかったけど
絵麻「(それにしても、侑介くんも言ってたけど、ずいぶん初々しく見えるなあ)」
年齢の上では二歳しか違わないはずなのに、自分がすごく年上に感じる
絵麻「(わたしも、二年前あんなだったのかな)」
そんなことを考えながら校舎に入ってくる人たちをぼんやりと眺めていると
不意に横から声をかけられた
?「お疲れ様」
声のする方を見たとき一瞬わたしたちはその人が誰だかわからなかった
梓「どうしたの、僕の顔になにかついてる?」
侑介「あ、あず兄...」
私たちの目の前にいるのは梓さんだった
でも、普段とは全然雰囲気が違う
侑介「ど、どうしたんだよそのカッコ!....てか、そもそも何でここにいんだよ」
梓「僕としても、来る気はなかったんだけどね」
梓さんが苦笑いする
梓「雅兄は患者さんに急変があって、京兄は臨時の打ち合わせが入って、かな兄はもともと法事があったから、保護者変わりとして仕方なく」
侑介「はあ?何言ってんだよあず兄、全然わかんねーって」
すると梓さんが逆に不思議そうな顔になった
梓「まさか、知らないの?」
そして私の方を向いた
梓「君も聞いてない?」
絵麻「な、なんのことですか」
わたしがそう言うと、梓さんは納得が言った様子で頷いた
梓「そうか。わざと言わなかったんだな。
......なるほど、そうだったんだ」
侑介「だから、何の話だよ、あず兄」
侑介くんが聴いたとき、校門の前に一台のタクシーが止まった
絵麻「(え?!タクシーって...)」
誰かが降りてくる、と、一瞬おいてあたりからものすごい歓声が上がった
絵麻「な、何?!」
梓「だから」
梓さんが体をかがめてわたしの耳もとで囁いた
梓「こういうこと、ほら....」
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黒狐 - 面白いです!無理しない程度に更新頑張った下さい!! (2015年8月26日 4時) (レス) id: 338c0d0462 (このIDを非表示/違反報告)
アミ - この後どうなるんだろう?気になりますね~主人公ちゃんはしあわせになれるのか?嫌、なって欲しいですね。更新するの待ってますね。 (2015年8月5日 2時) (レス) id: ef34a93066 (このIDを非表示/違反報告)
あややん(プロフ) - ドキドキが止まらない!スリル感溢れるストーリー展開ですね。ヒロインちゃんに幸せになってもらいたいです。 (2015年7月30日 20時) (レス) id: 49444c820f (このIDを非表示/違反報告)
ナギ - 作者さんがんばってくださいね!読んでいると涙が止まらない私夢主と同じだし両親事故で亡くなってるから夢主の気持ちがわかる。がんばって更新してくださいね! (2015年7月30日 19時) (レス) id: 136af5a260 (このIDを非表示/違反報告)
白桜奏多(プロフ) - 秋桜さん» ありがとうございます!頑張りますね(;´Д`) (2015年6月10日 7時) (レス) id: dc166f8f8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白桜奏多 | 作成日時:2015年2月9日 18時