*変人柱は落ち着けない 弐 ページ38
ぱちぱちと数回瞬きを繰り返し、くぐもった声を出す伊之助くん。
…可愛いな?
「伊之助くんこそ私の寝台でなにしてたの?間違えた?」
「俺が間違えるわけねぇだろぉ…」
寝起きだからか、しゃべり方もあどけない。可愛いな!?
というか本当に何で来てくれたんだろう。
「てめえ、俺の知らない間に勝手に怪我してんじゃねぇぞ…子分は親分に守られてりゃあいいのによ……」
もぞもぞと掛け布団で口許を隠しながら言う伊之助くん。
瞳もまだとろとろしていて、寝起きの破壊力を直に食らってしまう。
だめだこれ尊いが過ぎる神経が焼き切れそう…!!
「う〜んごめんね伊之助くん♡これからは気を付けるね♡♡」
「…わかりゃあいいんだよぉ」
そう言うと、伊之助くんは私をぽふんと寝台に倒す。
ここで寝てろ、とでも言わんばかりにぎゅうぎゅうと抱き寄せられた。
「ん」
「ううっ……!!!かわいすぎ…っ♡♡」
鍛えられた胸板の感触が直に伝わってくるものだから、寝ようにも寝られない。
それにしても顔が可愛いなこいつ!?!?
私もそっと抱き締め返して、なんとか眠りに落ちようと_
「…はぁ゛!?!?おまッッ!!何してんだよ伊之助ェ!?!?」
駄目でした。
「善逸くん!!どうしたの?」
「どうしたもこうしたも!!俺以外の男と寝ないでよAさん!!!」
「うるせェぞ紋逸ぅ……」
「こんの猪ッッッ………!!!!」
今すぐにでも抜刀しそうな善逸くん。まあ落ち着けよ!!
善逸くんがブチ切れてる間にも伊之助くんはぐぐっと腕に力を入れる。
…力強くない?私の肋骨生きてる?
「つーかそんなに言うなら善逸くんも来ればいいじゃん。ココ空いてますよ♡」
「エッ!?!?」
私が自分の隣に空いた僅かな隙間をぽんぽん、と叩いてみせると顔を真っ赤にする善逸くん。
それが理性との葛藤だったんだろうか、一瞬考え込んだあとおずおずと寝台の縁に腰を下ろした。
「ほら、おーいで♡」
「ぅ"……っ!」
真っ赤なまま僅かな隙間に倒れこんだ善逸くんを、誘い込むようにぎゅっと抱き寄せた。
アーー!!!!めっっちゃいい匂い!!
「うーんやっぱり狭い?こうすれば楽?」
「はぇッ、ちょ、Aさッ…!?」
善逸くんの両足の間にすり、と膝を滑り込ませてもっと引き寄せてみる。
…クるな、この体勢。目覚めそう。
「…Aから紋逸の匂いがしやがる、気に入らねえ」
「お前酷くない?Aさん大好きじゃん…」
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ころころ - ゆるふわですやん! 知ってるんですか! (2019年10月4日 20時) (レス) id: 327fdb2cac (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - こんのなんでも屋さん» コメントありがとうございます〜ッッ!!!わりと皆さんに気付いてもらえて内心同志を見つけられたようで嬉しいです!! (2019年10月3日 17時) (レス) id: 647675a819 (このIDを非表示/違反報告)
こんのなんでも屋 - あーっあーっしぬかとおもった!しぬかとおもった!ってどっかで聞いた事あると思ったらぴーまるちゃんとこのうさぎさんw (2019年10月2日 19時) (レス) id: 8cb1996207 (このIDを非表示/違反報告)
ネロ - ゆきさん» わーコメントありがとうございます!!!続きます!!続編行きます!!体調管理にも気を配りつつ頑張っていきますー!! (2019年10月2日 7時) (レス) id: 647675a819 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 一瞬最終回かと思ってめっちゃびっくりしたけど、続くの文字を見てとりあえず一安心。この作品は今まで見てきた中で一番好きです。これからも投稿楽しみに待ってます。無理をせず頑張ってください。 (2019年10月1日 21時) (レス) id: fbbd62be54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネロ | 作成日時:2019年9月8日 15時