第31話 最後の反発 ページ36
*
この話は終わりかな、と思いきや。
お館様は「それに」と話を続けた。
産「炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」
「「「!?」」」
柱ですら誰も接触したことが無い、全鬼の始祖である鬼舞辻無惨。
それが最近入ったばかりの新人の隊士の前にひょっこりと偶然にも現れるだろうか。答えは当然否。
「どんな姿だった!?能力は!?
場所はどこだ!?」
「戦ったの?」
「鬼舞辻は何をしていた!?」
「根城は突き止めたのか!?」
突然の質問攻めに戸惑う炭治郎くん。
不死川さんに早く答えろと前髪を一掴みされながら、ぐるぐる目を回して混乱している。
「黙れ!俺が先に聞いてるんだ!
まず鬼舞辻の能力を…」
質問が渋滞して言い合いに発展してしまっている。
それを聞きかねたのか、お館様が口の前に人差し指を立てるとピタと言い合いは止まった。
産「鬼舞辻はね、炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ
その理由は単なる口封じかもしれないが、私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を掴んで離したくない」
恐らく禰豆子ちゃんにも鬼舞辻にとって予想外の何かが起きているのだろうと話すお館様。
言い方は悪いが、竈門兄妹は鬼舞辻を釣る"餌"
産「わかってくれるかな?」
最初反対していた宇髄さんと煉獄さんが何も話さなくなった。無言は肯定ということだろう。
だが、不死川さんが違うようだ。
不「わかりません、お館様
人間ならば生かしておいてもいいが鬼は駄目です
承知できない」
悔しさからなのか、鬼への嫌悪からなのか、唇を強く噛んで一筋の血を流す不死川さん。
すると何を血迷ったのか日輪刀を抜いて自分自身の右腕を勢いよく切った。
不「お館様…!!証明しますよ、俺が!
鬼という物の醜さを!!」
産「実弥…」
不「オイ鬼!!飯の時間だぞ、喰らいつけ!!」
ボタボタと木箱に垂れていく不死川さんの血。
ただの血ではない。
稀血の中でも更に希少な血。
血の匂いだけで酩酊するほどの。
貴「耐えられるのかな…」
餓死寸前の獣の前に肉を置いているようなもの。
だがこれを耐えられたのなら───…
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鬼滅大好きもち - 中学一年の私自身むいくんが最推しなのでこの小説を読んでると心がホワホワします。むいくんと恋仲が私的に思ってないので師範面から過ごす話の小説を探していてやっとお気に入りの小説に出会うことができました!とてもいい作品を作っていただきありがとうございます! (2019年12月27日 10時) (レス) id: 08fa144c19 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - 鬼滅隊じゃなくて鬼殺隊ではないでしょうか?間違いだったらごめんなさい。 (2019年11月17日 18時) (レス) id: f2976f8dda (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 岬さん» ひぇ…恐縮です……私も岬さんから温かいコメントをいただけてキュンキュンが止まりません…ありがとうございます…… (2019年9月2日 15時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
岬 - わぁ……閑話めっちゃ……もう……囁かに甘くてキュンとしてしまいます……むいくんが柱になってからは、夢主さんに甘える機会が少なくなったように見えますし、こんなふうに甘えてるのを見るとキュンキュンが止まりません……ほんとに時紀さんの小説で、生きてます…… (2019年9月1日 21時) (レス) id: 7d9b2a2f36 (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 李詩さん» 無一郎くん喋りましたねぇ、動きましたねぇ、かぁいかったですねぇ。作者もとっても幸せです。一緒にキュンキュンしましょう……! (2019年9月1日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2019年7月23日 23時