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54,お試し ページ4

碧井「え…?」

A「いや、あの…
碧井くんが嫌じゃなければで…!」

碧井「嫌ではないけど…いいの?」

てっきりフラレたものだと思っていたのに
…お試しとはいえ、付き合ってくれるってこと?

A「ちょっと…その…トラウマみたいなものがあって」

碧井「トラウマ…?」

A「私、彼氏は十代のとき付き合った人が
最初で最後なんだけど…その時にね、その……」

碧井「……言いたくない?」

A「う…っ」

とても歯切れの悪い話し方だったから。
本当は、言いたくない話なのかと思った。

A「うん…」

碧井「そっか。…無理に話さなくていいよ」

A「ごめん…」





A「でもね、碧井くんなら…
大丈夫かもって思えるから…」

碧井「…!」

A「ちょっと、怖いけど…付き合ってみたいの…」

碧井「うん」

A「だからお試しで……いい?」

碧井「もちろん!よろしくお願いします」

A「ありがとう…!」



彼女のトラウマが何かは…
言いたくないなら無理には聞かない。

だから何に怯えているのかもわからない。

それでも…彼女がお試しでも
“付き合いたい”と言ってくれたことが…すごく嬉しい。





A「今日は…うち泊まる?お酒あるし」

碧井「じゃあ、お邪魔します」

彼女の家に二人で帰る。

家に着くと、彼女は先にお風呂に入った。

A「碧井くんもどーぞ。温まるよ」

碧井「ありがとう」

お風呂からあがった彼女は
化粧も落としてスッキリした顔だ。

…やはり少しだけ、普段よりもあどけない。

俺もお風呂に入り
戻ると彼女はすぐ飲めるように用意してくれていた。

A「乾杯」

今日もソファには俺を座らせてくれて
彼女はベッドに座る。

落ち着いた雰囲気だが、これまでとは少し違う。

碧井「…可愛い」

A「へ!?」

碧井「ふふ、もっと赤くなった」

酔い始めてほんのり赤い頬が可愛くて。
口に出したら、彼女の顔は更に赤くなった。

もう、気持ちを隠す必要はなくなったんだ。

A「そりゃあ……か、可愛いとか言われたらさ……」

碧井「可愛いよ」

A「〜〜〜っ」

照れた様子で軽く殴られた。
……全然痛くない。

むしろ可愛い。

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設定タグ:オリジナル , 男主人公 , 片想い   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:麦兎 | 作成日時:2021年10月21日 0時

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