51,遊園地デート ページ1
碧井「ちょ…っ、やりすぎ…」
A「きゃ〜〜〜!!」
手は繋げなかったものの、
遊園地デートは楽しく過ごせている。
コーヒーカップでめちゃくちゃ回されたりとか、
A「碧井くん王子様みたーい」
碧井「恥ずかしいから…」
メリーゴーランドで動画撮られたり、
A「無免許運転〜!」
碧井「あはは、上手い上手い」
ゴーカートで運転してもらったり……
年甲斐もなく遊びまくる。
A「あ、これくらいなら乗れるよ!」
碧井「俺もこれは大丈夫」
次は空中ブランコに乗ろうと列に並ぶ。
空中ブランコの乗り場から、お化け屋敷が見えた。
A「…行きたい?」
俺の視線に気付いた様で、彼女から聞いてくれる。
碧井「興味はあるかな。Aちゃんは?」
A「碧井くんが行きたいなら…!」
そうは言うけど…ちょっと顔引きつってない?
空中ブランコから降りて、お化け屋敷に向かう。
碧井「本当にいいの?無理しなくて大丈夫だよ?」
俺の前を歩く彼女だが
さっきの顔からしてお化けが苦手なんじゃないかと思う…。
A「だって…。碧井くんのしたい事、したいもん…」
碧井「…!」
そんな風に思ってくれてるんだ…。
A「それに遊園地のお化け屋敷だし!
子供騙し程度のクオリティならイケるでしょ」
碧井「うん、ありがとう」
…しかし、お化け屋敷に入って即、彼女の足が止まった。
A「え……ガチじゃん…」
碧井「雰囲気あるね」
A「もう無理…」
碧井「早くない!?」
まだ何も出てきてないし、本当に雰囲気だけの状況で
限界宣言されてしまった…。
碧井「戻れないし、ここで止まってるわけにも…」
お化け屋敷の受付にて
後戻り禁止で、
一度入ったらゴールまで出られないと説明を受けた。
途中離脱用の出口も無いみたい。
碧井「えっと…腕とか掴む?」
A「…手、握ってて」
碧井「!」
……別に、やましい気持ちで言ったつもりはなく
少しでも怖さを和らげてあげないと
ずっとここから動けないままだと思ったのだが。
まさか…この状況で手を繋げる事になろうとは。
A「うぅ〜…」
碧井「…大丈夫?」
A「絶対離れないでね…」
碧井「わかった」
彼女の手は俺の手に収まるくらい小さくて。
珍しく震えているその手を、しっかりと握った。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:麦兎 | 作成日時:2021年10月21日 0時