009 一目惚れ ページ9
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大貴side
と、とりあえず、風邪引いちゃうから！
なんて強引に、じいちゃんの家まで連れてきてしまった。今思えば俺も必死だったのかもしれない。下心とか、そういうのじゃなくて。いや少しはあったかもしれないけど。なんとなく感じたのかも。運命にも似た何かを。
祖父｢彼女か？｣
大貴｢ち、違うよ！迷子になって、困ってて…｣
え、迷子？この歳で迷子？スマホは？家は？家族は？友達は？というか上着は？荷物は？
さっきは何とも思わなかったことが、少し冷静になった今、どんどん疑問になって浮かんでくる。何もわからないじいちゃんを前に、この子は何者なんだと今更戸惑い始めた俺。そんな俺を見兼ねたのか、彼女が口を開いてくれた。
｢………家出、みたいな、｣
大貴｢家出？｣
｢１週間は帰りません。｣
１週間って……、そんなに帰らないつもりだったのにその格好？と、まだまだ疑問は多い。
どう考えてもこの家に似合わない可愛らしい彼女は、身につけているビキニ以外の荷物をひとつも持っていなかった。今は俺のパーカーと、その上にさっき渡した毛布を被って、リビングにぺたんと座っている。どうしたものかと必死に考えを巡らせていると、特に考え込む様子もなくじいちゃんが言った。
祖父｢ここにいたらいいじゃないか。｣
大貴｢えっ、｣
祖父｢たった１週間だろう？大貴も８月いっぱいはここにいることだし、２人も３人も変わらんよ。｣
彼女より、驚いたのは俺だった。
いや、正直驚いたなんて可愛らしいもんじゃなくて、また心臓がうるさくなった。だってこんな、見ず知らずの女の子と、ひとつ屋根の下で暮らすの？高３男子が？いやいや、さすがに彼女も嫌が…
｢いいんですか？｣
こうして俺は、名前も知らない彼女と、１週間を共にすることが決まってしまった。
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・
そして俺はこの夏、忘れられない恋をすることになる。
『一目惚れ』なんて一切信じてなかったあの俺が。この時にはもう、彼女に恋をしていたのかもしれない。
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むぎ(プロフ) - まくるさん» ありがとうございます！大変なご時世だからこそ、少しでもみなさまの息抜きになればと思っています(^ ^) この新作もキュンキュンしていただけるように頑張ります。これから色んな展開が出てきますので、最後までよろしくお願いします☆ (2020年7月4日 19時) (
レス) id: 88d801cec9 (このIDを非表示/違反報告)
まくる(プロフ) - 初コメント失礼します。新しい作品ですね、おめでとうございます！いつもキュンキュンしながらむぎさんの作品を拝見させて頂いております。こんなご時世で大変かもしれませんが、自分のペースでいいので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月28日 18時) (レス) id: 968d5c61de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2020年6月28日 15時
