040 ずっと言いたかったこと ページ40
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大貴「ほんとは、Aの言った通りなんだよ。」
「え?」
大貴「なくなる予定なんだ。ここ。ショッピングモールの予定地になんの。」
大貴くん、知ってたんだ……
大貴「これからどうなるかわかんねえけど、なくなる前に、Aに見せられてよかった。」
「うん……」
大貴「んな顔すんなよ。」
またほっぺたをつままれる。
でも寂しいよ。やっぱり寂しい。
「嫌だ……この景色も、全部忘れちゃうんだよ。わたしも大貴くんも、お互いを忘れて、出会う前に戻っちゃう。もうすれ違っても気づかないんだよ?」
大貴「じゃあ意味がなかった?」
「え?」
大貴「全部忘れるなら、出会わなきゃよかった?この半年間、俺と過ごした時間に意味はなかったの?」
「っ、そんなわけ…!」
大貴「だったらいいじゃん。詳しいことはわかんないけど、俺だって後悔してないよ。Aのこと大好きだったし。なんなら今でも。大好きだよ。」
「…っ、」
また泣ける。もう、優しいから。
最後の最後まで、そんなこと言うから……
だめだ、聞いてばっかりじゃ。今まで言いたかったこと、全部言ってから帰らなきゃ。伝えたい言葉が、まだまだたっくさんあるの。本当はずっと、ずっと、大貴くんが思う何倍も。
「あのね、」
大貴「ん?」
わたしの声に、振り返る大貴くん。
黒々とした瞳の中に、煌びやかなメリーゴーランドと泣き虫なわたしが映る。
「ずっと……、ずっと言いたかったの。」
大貴「ん、何?」
首を傾げるその姿も、ぷっくりしたほっぺたも、男らしいところも可愛いところも、優しいところも全部全部。
「わたしも。大好きだよ、大貴くん……」
大貴「っ、」
驚いたように目を見開いた後、少し恥ずかしそうに鼻をすすった大貴くん。
そっか、って。下を向いて、嬉しそうに笑ってた。
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いく(プロフ) - パレードが始まるが頭の中に流れました!!ステキなお話をありがとうございます。 (2020年8月9日 10時) (レス) id: bf142477e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - むぎさんの作品まじで大好きです。何億回でも読めます。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 62a0eb8cec (このIDを非表示/違反報告)
じゃん - 受験終わったあとの楽しみにしてて、今日読み終わりました。相変わらずむぎさん最高すぎます。大好きです。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 2c5e964fc3 (このIDを非表示/違反報告)
梨(プロフ) - 好きすぎました!!めちゃくちゃ泣いたしめちゃくちゃドキドキしたし有岡くんが有岡くんで、このお話大好きです! (2020年3月14日 16時) (レス) id: d970aa184c (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。(プロフ) - 完結おめでとうございます!めちゃくちゃ幸せでした!またいつか機会があれば、未来に戻ってから結婚までのお話も気になるので、読めたら嬉しいな〜と思いました! (2020年1月1日 13時) (レス) id: f99e88b778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぎ | 作成日時:2019年12月1日 12時