アクアマリン

02.〈撫子探し〉 ページ3

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「俺達に何か用か？」

「なあっ！？」





余程熱心に何かを探していたのだろう。

私と国木田さんが背後に立っても全く気付かなかった女性。

えーっと…確か名前は樋口さん。

国木田さんが声をかけると、変な声を出して尻餅をついた。





「で？ポートマフィアが何の用だ。お前達との衝突は極力避けろとの社長指示だが……」






それを聞いて、探偵社とマフィアってやっぱ仲悪いんだ…と改めて思う。

本当、福沢さんと森さんみたい。





「事と次第に依っては相手になるぞ」

「それはこちらの台詞。写真の女性に就いて教えて貰いましょう」





チャキ、と樋口さんの手が腰に回る。


真逆、マフィアも撫子を狙ってる…？

これは面倒事になるかもしれない。


私も護身用の小型銃に手をかける。



そして、衝突────







「教えて下さい！！」





は、しなかった。

バッ！と勢い良く頭を地面に打ち付ける様にして下げる樋口さん。


私達はその全力の土下座に戸惑い乍らも頷いた。









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『とは云え……教えると云いましても、実は私達にも女性の氏素性は判らなくて…』

「恋文を渡すべく捜しているんです」

「恋文？」





樋口さんに事情を説明すると、あの女に渡す？と驚き乍ら震える手で敦くんを指差した。





「貴方が？」

「ええ…まあ」





敦くんがそう答えると、樋口さんは何か一瞬考えた後、




「ナイス！！」





と目を輝かせて敦くんの肩を掴んだ。


んー……

これは何か勘違いしてるな。




まあそんな訳で、彼女も撫子探しに加わる事になりました。




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