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56. ページ21






手当ても終わり、そろそろイケブクロに戻らなければならない時間になってしまった。

改めて2人に深々と頭を下げてお礼を言う。





『神宮寺先生、観音坂さん、本当にありがとうございました』

「い、いえ…俺の方こそ、危ないところを助けてもらってしまって、本当すみません」

『いやいや、あれは勝手に私が落ちただけなので…!』

「いやいやいや、あれは俺が悪くて、」

『いやいやいやいや!』





「俺が悪い」「悪くない」を繰り返す私と観音坂さん。

もう何だこれ。

神宮寺先生はというと、困ったような顔で見守っていた。

いや先生、助けてください。





「俺が全部悪いんです、俺が俺が俺が……」

『もう!観音坂さんは何も悪い事してn』


「せーんせぇーーー!!!!」





またかよ!と叫びそうになるのを抑えて、ネガティブループをどうにか断ち切ろうとした時。

テンション高めな大声がしたのと同時に、診察室の扉が勢い良く開いた。

3人揃って「え?」と扉の方へと視線を向けると、そこには…





『一二三さん…?』





扉を開け放った姿勢で固まっている、麻天狼のメンバーである一二三さんがいた。

以前会った時と違って、今回はラフな格好をしている。

ホストのオフってこんな感じなんだな、と一二三さんを見ながら思った。





「ま、まずい!一ノ瀬さん!離れてください!」

『えっ?』

「一二三にできるだけ近付かないで!!」





さっきまでネガティブループに陥っていた観音坂さんが、慌てた様子で一二三さんから隠すように私の前に立った。

訳が分からないが、取り敢えず素直に従って神宮寺先生の後ろまで下がってみる。





「お、おおおお女の子っっ!!!!」

「待て一二三!!今出たら迷惑になるだろ!!!」

「止めないで独歩ぉぉぉ!!!」





入り口でギャーギャー騒いでいる観音坂さんと一二三さん。

私は近付くなと言われたので動けず、結局神宮寺先生が宥めて落ち着いた。







『えっと、一二三さん?』

「ヒィッ!!」





場が落ち着いたところでようやく声を発すると、椅子に座る一二三さんが大きく飛び上がって観音坂さんにしがみついた。

あの「子猫ちゃん」って言ってた彼はどこへ行ってしまったのだろう。

初めて会った時とは全くの別人に見える。





「すまないねAさん、驚かせてしまったね…実は、一二三くんは女性恐怖症なんだよ」

『え……』





……初耳です。




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みゆ - 続き気になります〜!更新待ってます! (1月20日 15時) (レス) @page34 id: 38735f9208 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続き気になる〜更新がんば (2022年5月20日 21時) (レス) @page34 id: e3725c1631 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え?続きが気になるぅ!!更新頑張ってください! (2021年9月11日 0時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
しっとりチョコがすごく食べたい。 - うぅ……癒しを!!癒しを恵んでください!!更新待ってますぅぅぁぁぁ!! (2021年1月10日 15時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
けい - お話めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年12月25日 16時) (レス) id: 54e19010c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麦子 | 作成日時:2018年12月6日 22時

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