JKとちびっこマフィア【番外編】

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『海かー良いなぁ。私も折角買った水着、全然着れてないんだよな』

「初耳なんだが」

『どうせ一緒に海も行けない中也さんには関係ないですからね』

「お前何で怒ってんだよ……あ、プリン食った事未だ怒ってんのか」

『だってあれ二時間並んでやっと買えたやつですよ？ハーゲンダッツ一個くらいじゃ…』





つい昨日の夜の出来事を思い出し怒りが再燃してきたAは、むすっとした顔で中也を睨む。

でもその言葉は途中で途切れた。

また昨夜の攻防戦が繰り広げられると思った中也は急に黙り込んだAを怪訝な顔で見る。





「お、おいA…？」


『そっか…そうじゃん！』





中也の呼び掛けも聞こえていなかったらしいAはぱあっと顔を明るくした。

てっきり泣き出すと思っていたから内心ホッとした。

泣き出した時にする心算だった全力の謝罪のイメージはできていた。





『海に行こう！』





先刻までの怒りは何処へやら。

キラキラした目の、何処かワクワクした様な表情の恋人の発言に、中也は「…は？」と首を傾げる。


Aのこの発言が、後の悪夢に変わる事など彼は未だ知らない。






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