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十六歳……?確かにそう云ったよな?

よく見れば若干顔立ちが幼い気もするし、服装だって違う。





『(…………マジか)』





これでも頭の回転は速い方だ。

そして状況把握能力も国木田のお墨付きを得ている。


簡潔に云うと、如何やら自分は六年前に飛ばされてしまったようだ。





『(あの異能者、時空転送系の異能持ちか……)』





飛ばされる前、最後に見たあの男の顔を思い出し苦い顔をする。

これは捕獲にかなり時間がかかりそうだ。

そればかりは探偵社の仲間達に頑張ってもらうしかない。


兎に角、今は如何にかしてこの状況を切り抜けねば。





「おい、何か話したらどうだ?」





そんな声に顔を上げれば、自分を見下ろす中也と目が合った。


…六年前は襟足短いんだなあ。

今よりヤンチャしてるって感じだし、何か可愛い。


何故かガン見されている中也は怪訝な顔をするが、Aはそんなのも御構い無しだ。





「ねえ君さ……私達の事知ってるでしょ」

『!』





それまで黙っていた太宰が口を開く。

如何やら逆に観察されていたらしい。

背筋に氷を当てられた気分だ。





「知らなかったらもっと警戒する筈だし、今頃逃げ出していたって不思議じゃないでしょう?」

「…成る程、て事は裏の人間か。何処の組織だ?真逆暗殺って訳じゃねェだろうな」

『ち、違う!そんな事しない!』





温度の下がった瞳を向けられ、Aは気付けばそう叫んでいた。

そんな彼女に「あ、やっと喋った」と云う太宰。





「んー…まあ兎に角、連れて帰ろうか」


『え?』





ニコ、と笑う太宰に思わず身を引いた。


拙い、絶対ヤバい事考えてる。


太宰と仕事をしてきて培った危機察知能力が発揮された瞬間だった。






「知らない訳無いよね、此処がポートマフィアの縄張りだって。

帰ってよぉ〜く調べさせて貰おうかな、君の事」





後になってAは云う。

この時の太宰と中也(双黒)の笑顔は、未だ嘗て無い位に怖かった、と。






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林檎@諸事情につき低浮上(プロフ) - うひゃぁあ更新有難うございます待ってました!!!いつ見ても面白いです!!これからも応援してます − !! (2019年4月30日 0時) (レス) id: 4706140a44 (このIDを非表示/違反報告)
ふらん - 続きがとても気になります! (2018年8月20日 14時) (レス) id: dbdc3a2a0b (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - ザクロさん» 主人公が除霊(物理)したので大丈夫です!!(笑) (2018年7月16日 2時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
麦子(プロフ) - ザクロさん» ありがとうございます!^^ (2018年7月16日 2時) (レス) id: 564537986a (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ(プロフ) - 敦君。逃げて! (2018年7月10日 23時) (レス) id: cf0e41908a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麦子 | 作成日時:2018年6月16日 21時

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