JKとちびっこマフィア【番外編】

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両組織の面々が驚いたのは僅かな間で、直ぐに険悪な空気が流れる。


出会えば直ぐに殺し合いが始まる芥川と敦は眼光鋭く睨み合い、

出会えば直ぐ口喧嘩が始まる中也と太宰は睨み合い乍らぎゃんぎゃんと云い合い、

彼らを束ねる長二人は静かに向かい合う。

しかし其処に流れるのは肌を刺す様な緊張した空気である。


そして、Aは二組織に丁度挟まれた位置にいた。





『如何してこうなる……』





自分にこの仕事を任せた女将を心の中で一瞬呪った。

改めて見た団体客リストには、「森建設御一行」とあった。

何故気付かなかった自分。

てか何なんだ森建設って。


今直ぐにでもこの場所から逃げ出したい衝動を何とか堪え、咳払いをする。





『探偵社の皆様のご案内しまーす！森建設御一行の皆様はチェックインをしてください』





こんな処で乱闘が始まったらたまったものじゃない。

半ば強引に探偵社を引き連れて部屋に向かう。

一瞬中也が驚いた様な顔をしていた気がしたがあれは見なかった事にしよう。

内緒でバイトしてるだなんて云えない。

バレたけど。





「…こりゃ楽しい旅行になりそうだねェ」





与謝野がニヤッと好戦的に笑う。


……戦う気満々じゃないか。


Aは早くも痛み始めた頭を押さえた。





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