疑問 ページ20
雀荘を出、錆びた階段をかんかんと鳴らしながら降りていく。
「なんだ、もう打たねえの？」
横に並ぶと、アカギさんのほうから声をかけてくれた。
「だって、またあんなことになったら嫌ですし……」
ふうん、とアカギさんは新しいタバコに火をつけた。
「いつもの雀荘で打ってりゃ良かったのに」
「か、返す言葉もないですけど……
実は、ひろくんと打とうって話になって
練習がてら、ほかの雀荘巡りもいいかな〜なんて……」
「へえ、ひろゆきと……
勝てるんじゃない、今のAさんなら」
あっさりとそう言うアカギさんにびっくりしてしまって、思わず心臓が飛び跳ねた。
「な、なんか……今日のアカギさん、
サービス精神旺盛というか、
いつもと違うような気がします……」
「え？」
今のアカギさんの発言は、褒め言葉として受け取ってもいいのかな。
だとすると、今日はやけにアカギさんからの嬉しい言葉が多すぎる。
さっきだって、私の麻雀が上手いだなんて言ってくれたし。
「熱でもあるんじゃないですか……」
なんて冗談っぽく言ってみると、アカギさんは階段を降りる足をぴたりと止めた。
わたしより一段下にいるアカギさんはこちらを振り返って見上げる。
「クク……確かに、熱っぽくあるのかもな」
「え！！？」
「助けてやった見返り、とは言わねえが──
なあ、Aさん
オレに教えて欲しいんだ」
ずい、と距離を詰められる。
透き通るような瞳。
さらりと揺れる白い髪。
思わず見とれていた私に投げかけられた言葉は、思いもよらないものだった。
「──オレは、アンタのことが好きなんだろうか」
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南南東(プロフ) - 一気読してしまいました。アカギとのやり取りの一つ一つが素敵です!!更新待ってます！ (2022年5月11日 0時) (
レス) @page21 id: 74d17b21fe (このIDを非表示/違反報告)
唯 - 初めから最新話まで、一気に読んでしまいました!♪ アカギさん初め、他のキャラクター達の人物背景も崩れてなくて、展開もキュンキュンしたりして、本当に夢中で読んでいました。更新楽しみに待っています。最近は、冷え込む日も多いので、お体には気をつけて下さい。 (2020年1月20日 18時) (レス) id: a44ec662f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戦犯にわか | 作成日時：2019年12月22日 21時
