@44〜キヨside〜 ページ4
自ら電話を切ったものの、俺は悶々としていた。
キヨ『清川課長かっこいいー！って…既婚者だっつーの。』
俺は昔からモテるAが嫌いだ。
正確に言うと、
素を出していないAをカッコいいだ、優しいだと言ってる女が嫌いで、
そいつらに作り笑いを見せるAが嫌い。
昔のAはお世辞にも硬派とは言えん。
女の子を取っ替え引っ替えしてた時もあった。
今思えば、俺らはあの頃が1番仲が悪かったと思う。
その頃に芽生えた感情が "嫉妬" だった。
俺の兄ちゃんが変な女たちによって変わってしまった。
なんて思ってた俺。
もちろんAのことを好きな自覚はあるが、あくまでこれは兄弟愛。
ただ、小さい頃から俺の面倒を見てくれていた兄が1番の理解者だと思っている俺は異常なほど執着しているのも事実。
ブラコンと言われれば聞こえがいいが、
兄弟、ましてや男兄弟となると、この感情を誰かに言う気にもなれない。
それを唯一、嫌な顔をせず理解してくれていたのが、奥さんの奈美さんだった。
2人が結婚すると決まった時…
「お兄さんを私にください！」
なんて男顔負けの気合を入れて俺の元にきた奈美さんを
かっこいいと思った。
この人は、俺のこともちゃんと理解してくれると思った。
あー…嫌だなぁ。また兄ちゃんがどこぞの女共に笑顔を振り撒いてやがる。
どうせ電話しながら、嫌いな笑顔で手でもふり返していたんだろう。
俺はキッチンに行って、奈美さんの好きだったウィスキーをグラスに入れ、仏壇の前で手を合わせた。
キヨ『奈美さん聞いてよー。また俺らのAが女の子たぶらかしてるよ。』
「キヨくんがいるって言うのに！きぃちゃんは…ほんと節操がないね！！」
そんな返事をしてくれた気がした。
側から見れば独り言だが、俺はこれで満足だ。
きっと、
「きぃちゃん！？キヨくんが寂しくお留守番してるのに何してるの！？」
って怒られてる。
キヨ『我ながら歪んだ感情だよなぁwww』
俺が愚痴ると
"きぃちゃん！？いい加減にして"
と奈美さんに怒られるA。
俺のことはキヨくんで、兄ちゃんがきぃちゃん。
本人が "清川" になった後も、俺らを苗字から派生されたあだ名で呼んでいた奈美さんに
いつも兄ちゃんが、いい加減やめろと言ってたっけ。
キヨ『兄ちゃんの相手は1人しか認めねぇからな。俺は。』
なんて考えてやればさっきまでのイライラはなくなったので、1人寂しくテレビを見ることにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 329人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むぎむぎ(プロフ) - ゆさん» とても嬉しいコメントありがとうございます！！今途中まで書いている話も頑張って更新した行きたいと思います！！最後まで読んでいただきありがとうございました！！ (2022年5月6日 22時) (
レス) id: 0ab5c4428c (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 初めまして、コメント失礼します。 完結おめでとうございます、そしてお疲れ様です！とても楽しく読ませていただきました。まだまだ二人の日々を読んでいたかったですが、良い終わり方でよかったです。新しい作品も読ませて頂きます。これからも楽しみにしております！ (2022年5月6日 11時) (レス) @page28 id: 8b229610da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むぎむぎ | 作成日時：2022年4月12日 19時
