月が綺麗ですね3 ページ10
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……日差し。
目が覚めたようで、とりあえず手探りでスマホを探して時間を見ると午前10:25。今日は午後からだから全然間に合う時間に目が覚めたようだ。
「っふわ、……あ、……よく寝た」
……そう、ほんとによく寝た。
体をぐいっと伸ばすと気持ちいい。久しぶり？何日ぶりだろうか、眠った時間もタイミングも覚えていないし、そもそもベットに入ったことすらもおぼろげだ。
……ああでもそうか。こいつか。
リビングに出ると目に付いたひとつのかたまりにもはや瞬間的に笑みが漏れる。
どこから引っ張り出してきたんだか、ソファの上で1枚の毛布を肩まで被りながらきゅっと手で掴んで猫のように丸まって、俺の寝間着をしっかり身にまといすやすや眠る、A。
机の上は綺麗さっぱりなにもなく、キッチンもちら、と見ると特に洗い物が残ってる様子はない。
片付けなくていいっつったのに。呆れでももちろん怒りでもない、ため息が口から出ていく。
エクスプス「……A」
「……ん、」
エクスプス「ん、じゃねえよバカ。家帰れって言っただろー俺は。なに呑気に寝てんだよ人の部屋で。しかもソファだし」
「んー……」
エクスプス「……ベットで寝るか？」
「……おきる」
……猫。
セブチの猫と言えばウジやウォヌで、ホシは虎でこいつはライオンだけれど、ぐぐぐ、とソファで背伸びをしながら目を覚ますさまは誰がどう見ても猫で。
むくっと起き上がってからまた、ぐーっと背伸びをひとつ。すると大きすぎる俺の服の袖がするん、と肘下まで下がってきてしまったので、自分でいそいそモゾモゾとなおしている。
そして目をしぱ、しぱ、しぱ。
「……あんにょん、リーダー。いい朝ですね」
……ほんと、そういうところだよお前は。
そう言いながら頭を下げる、その姿が、その一部始終すべてが、愛おしくて。
かわいくてたまらなくて。
エスクプス「……ヤァ、どこがだよ」
「……ふあ、……よく寝た」
来てくれてありがとうと、たぶん眠れない俺を心配してきてくれたんだよな、と伝えたくて。
エクスプス「……髪、伸びたな」
「ん」
エクスプス「ご飯は？」
「……ごはん、」
エクスプス「トーストつくるけど」
「……ね。それ食べる」
わしゃわしゃ、と撫でた髪は、どうにもそれ自体もAを表しているかのように、ふわふわと柔らかくて、やさしい気がした。
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テイ(プロフ) - ハルカさん» 最高とのお言葉、たいへん嬉しいです！のんびりではありますが引き続きお楽しみいただけますと幸いです。 (2022年5月20日 10時) (
レス) id: 51ed79440b (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - 最高に好みです。これからも楽しみにしてます。 (2022年5月20日 4時) (レス) @page27 id: e5accedd3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mtuzu0043 | 作成日時：2022年4月28日 17時
