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▽
やっと久しぶりにマンゲキでの仕事｡
大阪に戻って来たぞ｡
九条やにーやんは大はしゃぎ｡
先輩たちも嬉しそうに話しかけてくれる｡
後輩たちの隙間からリリーさんの姿が見えた｡
目が合った途端､楽屋からいなくなってしまったリリーさん｡
｢……｡｣
新｢俺があげたタイピン付けてくれてるんですね｡｣
｢せやで｡可愛いから毎日の様に付けてるで｡｣
九条ともたっぷり話聞いて､盛山さんに色んな話話して…｡
だけどリリーさんが気になって仕方が無い｡
｢ちょ､ちょっとお手洗い｡｣
皆から離れてリリーさんを探す｡
滅多に人が通らない通路｡
そこでもたれかかっている人を発見｡
｢リリーさん｡｣
リ｢びっくりした｡Aか｡｣
｢こんな所でどうしたんですか？｣
リ｢別に｡｣
相変わらずクールな人や｡
リ｢ちゃんと都会には慣れましたか｡｣
｢驚くほどに慣れません｡｣
リ｢そうか｡一層忙しそうやんか？大丈夫なん？｣
｢周りに助けてもらいながらなんとかって感じです｡｣
リ｢電話しても出んかったやん？それでちょっと心配しとった｡｣
あ…あの時の…｡
｢すみません…折り返すの忘れてました｡｣
リ｢いや､なんともないならええんやけど｡｣
｢気に掛けてくれてたんですね｡ありがとうございます｡｣
リ｢当たり前やろ｡惚れとる子が遠くに行ってもうたんやから｡｣
さらっとそう言う事言う｡
体温が急上昇した｡
｢…会いたかったですか？｣
リ｢…めっちゃ会いたかった｡｣
引き寄せられ､一瞬で彼の腕の中｡
どうしてこんなに心地良いの。
｢……｡｣
何も言わず腕を回した｡
リ｢…A…｡｣
どうしたん私｡
リリーさんは先輩で､それ以上でも以下でもないはずやったのに｡
｢私も､リリーさんに会いたかったです…｡｣
こんな気持ちになるのは何故？
リ｢可愛い…｡｣
柔らかく笑う｡
しばらく見つめ合っていると､
遠くの方で相方が私を探す声が聞こえた｡
｢…もう東京戻らんと…｡｣
ゆっくり離れ
｢ではまた｡｣
短い言葉で別れた｡
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作者名：あまから | 作成日時：2021年7月28日 21時
