ただいま。【浦/島/坂/田/船】

その後。 ページ20

「ただいまー」

玄関の方で複数の声。

掃除してた手を止めて、急いでそっちに向かう。

「みんな！おかえりなさ」

「A！ただいまのぎゅー！！」

私が言い終わる前に靴を脱ぎ散らかして抱きついてくるさかたん。

もうこれはデフォと化してるのでいちいち気にしません。

「みんな、寒かったでしょ！中入って！！」

掃除を終えた居間の暖房をつけ、こたつを元通りにする。

「あったかい〜。生き返ったぁー」

センラくんの長い脚がこたつの中に入ってくる。

「センラくん、お疲れ様」

「えぇ、俺は〜？？」

「もちろん、さかたんもだよ。うらたくんも志麻くんも、やまだちゃんも。みんなお疲れ様！」

「A、今日は何してたの？？」

「みんなの部屋とか、掃除してた〜」

私がそう言うと、固まる志麻くんとセンラ。

「……待って、もしかして」

「カゴの中とか、見ました？？」

「……掃除機をかける際に、不本意ながら」

あちゃー、と言い合う2人をうらさかは、にやにやしながら見てる。

「お前ら、そういうのはもっとちゃんと隠せよー」

「ベッドの下とかに入れてたんちゃうやろなぁ。えっち〜」

「……人の私物なんで、そのまま置いときましたけど。今後は、私の目のつかないとこに置いて頂ければ」

出来れば、二度と見たくないです。

「はーい」

「うらたくんとさかたんは、問題なしです。……あっ、センラくんにもう1つ。盗撮はやめて」

「あっ、バレてた？」

次やったら、警察に突き出してやろうかな。

「……なぁ、A？？」

「さかたん、どしたの？」

「あのノートの中身とかって、見てへんよな？？」

あのノート、とは恐らく例の日記帳のことだろう。

「見てない、よ？」

「あ、何か今怪しかった」

「……見てしまいました」

「えぇええええ！」

私の言葉に、さかたんが赤面。

「読んだ！？全部読んだ！？」

「……はい。余りにも堂々と置いてあったので、つい。ごめんなさい」

やってもうたー、と頭を抱えてるさかたん。

さっきのお返しだ、とばかりにニヤついてるしません。

「さかたん、恥ずかしいこと書いとったんかぁ〜？どれ、見してみ」

「絶対嫌！次から絶対分からんとこに隠しとくもん！！」

さかたんの隠し場所なんて限られてそうだし、また掃除の時に見つけちゃうかもなぁ。

その時は、見なかったフリしよっと。

……そろそろ、ご飯にしようか。

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