検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:7,140 hit

現在と過去11 終わりと始まり ページ33

side スカイ


気づいたときにはもう……何も無かった。
いや、全て終わっていたんだ。

目の前には俺が昨日見た二人と……あいつの……真莉の父親……だったもの。
それから、俺に背を向けた真莉がいた。

「……おい」
「初めて……」
「……?」
「初めて呼んでくれたわね。私の名前」
「んなことねぇだろ」
「いいや、初めてよ」
「いや初めてじゃ……そんなんどうでもいいだろ」

「そうね」

そういって振り向いた真莉は笑っていた。
笑っていたのだ。
誰よりも(ここには二人しかいないが)悲しいはずの真莉は笑っていた。
まるで自らが幸せだと言っているように。

俺は、言葉が出なかった。出せなかった。
なんと言うべきか分からなかった。

しかし、その笑顔も一瞬だった。
俺がまばたきをしている間に変わってしまったらしい。
真莉は泣いていた。静かに、一人で泣いていた。

「真莉っ……」

今度は言葉が出た。
俺が殺した、あいつの父親を。
勝手に父親の言葉に怒り、勝手に行動を憎しみ、勝手に存在を恨んだ俺は、俺じゃ無くなった。

「お、俺っ」
「ありがとう」
「えっ……?」
「裕、ありがとう」

裕という言葉に胸が痛む。
もう、今までの自分では無い。
それは自分がよく分かっている。

「私知ってた。お父様が私を邪魔だと思ってたこと」
「そんな……」
「知ってて知らないふりをしてたのよ。」
「それって………」
「お父様が好きだったのよ。私を嫌おうとたった一人の肉親だから」

「真莉っ…俺は……俺がお前の父親を」

____殺した

言えなかった。言わせてくれなかった。

真莉は俺の口を塞いだ。自らの唇で。



「ねぇ?裕?私からのお願い聞いてくれる?」




「1つめ、仕事に就くこと」
「2つめ、私と死ぬまで一緒にいて、お願い……」


___________________________________
出来上がってたのにあげていなかった……😭
すみません!

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←過去と現在10 悲劇



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ: , 殺し屋 , スパイ , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

冬賀魔 - さくらこ@桃色さん» 善処します。笑 (2017年4月26日 14時) (レス) id: a64f1838bb (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ@桃色(プロフ) - ネタを個別で送りました!更新をお願いしても大丈夫ですか? (2017年4月25日 21時) (レス) id: 3420adefd8 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ@桃色(プロフ) - 冬賀魔さん» あ、はい笑 了解です笑 (2017年4月17日 20時) (レス) id: 3420adefd8 (このIDを非表示/違反報告)
冬賀魔 - さくらこ@桃色さん» あ、あとネタを下さい。← (2017年4月17日 20時) (レス) id: a64f1838bb (このIDを非表示/違反報告)
冬賀魔 - そうですね…できたらしときます。← (2017年4月17日 20時) (レス) id: a64f1838bb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:冬賀魔 | 作成日時:2016年4月24日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。