第78話「よし分かった戦争だ」 ページ34
「セイヤッ、とおう!!」
「ふんぬ!ふんぬっ!!」
「ねえねえ、何やってんのお前ら」
「「戦争」」
「なんで」
場所は移動し、兄たちの部屋の中。
くらえ、タブルハンマー!と手錠をかけられた両手をそのまま十四松兄さんに振り下ろす。
だがそれをアッサリ避け、「足元がお留守だよ!」と逆に軽い足払いをかけられ地面を転がった。
「いってええ、頭しこたまぶった!」
「マウンドポジショーーン!頂き!」
「うをっ!!させるかよ!」
私は無名ちゃんになるんだァァァと覆い被さろうとしてきた十四松兄さんの首元に爪先で蹴りを入れた。
怯んだ隙を見計らって急いで手を使わずに立ち上がり、追い打ちで多少の助走をつけた飛び蹴りを食らわす_____。
「わわっ」
「あ"っ!」
それも驚異的な反射神経により避けられ、勢いがついたままの飛び蹴りは十四松兄さんの背後を通り過ぎ。
ドゴン!と押入れの戸を蹴破ってしまった。
相当な衝撃だったのか、戸は思いっきりひしゃげた。
「あっちゃー、やっちまったー」
「ええ蹴りしなさんなーお嬢さん!びっくらこいたわ」
「あら、そーお?ウフフフ照れる。でもどうしよう」
「とりあえず、無かった事にしますかい?」
「是非そうしましょう」
「出来るかバカども。
よくみんな見てる前でそんな事言えたな」
怒りで頰をピクピクと痙攣させたチョロ松兄さんがそう言った。
ありゃ、シコースキー兄さん切れてる?ぶっちギレなの?ぷぷぷ。と煽る私に倣ったのか、十四松兄さんもうわー怖ーい兄さん!と続けていた。
ん?煽ってんのかこれ?
結局私だけ脳天に拳骨を落とされた。
正直死ぬかと思った。
「てかなんで十四松と闘ってたの?」
「ぐす…豚になりたくなかったんだ…運動したかったんだ…だから戦が始まったんだ…」
手が不自由なためガンガン痛む頭を押さえる事が出来ず、何故かカラ松兄さんによしよしされてる状態でそう呟いたら意味分かんねえよと冷静に返された。だって本当の事ですし。
「足が自由なうちに運動しとこうと思ったんだよ」
「フーン。でもなんでその相手が十四松?ソイツ(カラ松)で良いんじゃねーの?」
「寝技だけで戦争が成り立つと思う?」
「……なんかごめん」
先程この兄に死ぬほど縦四方固め(ほぼ抱き合う姿勢になる締め技)を決められ、グッタリした妹の表情を見たおそ松は、同情するようにそう呟いた。
第79話「数学?なにそれおいしいの私は食べないけど。」→←第77話「この大空に、翼を。」
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こま - シンプルに言って好きです!カラ松のちょっと病んだ系のギャップえぐすぎて口から内蔵でましたwガチ、永遠に続いてほしいです!すべてが完璧すぎてもう毎日満面の笑みで一日を過ごしています!w続き楽しみに待ってます!!! (10月25日 19時) (レス) @page43 id: aa7af232a4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - めっちゃ好きです!!れお願いします!!!続き待ってます!!! (8月30日 22時) (レス) id: a39746ca53 (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 超おもろい………続き待ってます!!!! (5月20日 23時) (レス) @page43 id: 4a7b17e5bc (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 続き待ってます···! (2022年4月7日 22時) (レス) id: a82882ac10 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらっち - 本当にもう好きすぎます... (2022年3月27日 1時) (レス) @page43 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月28日 16時